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このまま消え去ると思われたセダンだが2023年第一四半期にはまさかの復調。初めてクルマを買う若年層には「セダンはクールで安価な選択肢」として支持されている?

2023/05/20

このまま消え去ると思われたセダンだが2023年第一四半期にはまさかの復調。初めてクルマを買う若年層には「セダンはクールで安価な選択肢」として支持されている?

| 北米、そして中国だと、もともとセダンは「SUVやトラックに次ぐ」選択肢として一定の支持を集めてきた |

とくにEVでは「カッコいいセダン」が増えてきたこともEV復調に関係している?

さて、日本では「カムリが販売終了」となり、クラウンもセダン以外のバリエーションを展開するなど”セダンが虫の息”といった状態ですが、それは世界中でもほぼ同じ状況であるもよう(ただし日本ほどセダンのシェアは低くない)。

そして今回、米国カーメディアにて報じられているのが「米国ではセダンの人気が復調する傾向が見られる」ということで、2023年第1四半期だと、セダンのシェアが(若干ではあるものの)上昇に向かったと報じられています。

米国では多くのセダンが廃止される

なお、米国企業は「集中と選択」が徹底しており、利益が取れないセグメント、競争が厳しいセグメントからはスピーディーに撤退する傾向がありますが、たとえばフォードは数年前に「セダンから撤退する」として世間を驚かせることに(ただし、その後SUVとトラックに集中して業績が上向いた)。

そして今回報じられているのが、「2002年以降、ライトトラック(クロスオーバー、ピックアップ、SUV)は乗用車(セダン、クーペ、コンバーチブル、ハッチバック、スポーツカー、パフォーマンスカースタイル)の販売台数を上回ってきたが、2023年第1四半期には、乗用車の販売台数が回復し、2021年に記録した最低の19.6%の四半期に対し、21.4%のシェアにまで回復した」という統計。※60%超のシェアはトラックとSUVにて構成される

ここで言う「乗用車」には、セダン以外のボディ形状が含まれることは要注意ではあるものの、比率的にはセダンがその殆どを占めると考えて問題はないのかもしれません。

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セダンが「クール」だと認識されはじめる?

そこでこの傾向についていくつかの推論がなされているのですが、大きな理由が「セダンはクール」とみなされ始めている(であろう)ということ。

この20年ずっとクロスオーバーやSUVが主流であったため、初めて車を買う若い購買層は、親と同じ車に乗っているところを見られたくないと考えている、と分析されています。

これはつまり、以前は「セダン=お父さんのクルマ=ダサい」とされていたものの、今では物心ついた頃からSUVが主流の世の中だったので「SUV=お父さんのクルマ=ダサい」という構造となっているのかもしれません。

加えて、EVであれば「航続距離を稼ぐため」スタイリッシュなデザインを採用するセダンが少なくなく、かつ「最初のEV」としてセダンを発売する自動車メーカーも多数存在します。

よって、こういった「空気抵抗が少ない、未来的な」セダンを見ると”カッコいい”と感じることも頷けますね。

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J.D.パワーのデータ&アナリティクス担当バイスプレジデント、タイソン・ジョミニー氏は「今後数年間、まだまだセダンは停滞期にあると考えられるが、長期的に見ると、かつてほど多くのモデルが選べなくなるとしても、いずれのメーカーのラインアップにセダンが登場するだろう」ともコメントし、ゆるやかにセダンの復権があるという見解を示しています。

セダンは「価格的に有利」

そしてセダン人気が高まりつつある理由の一つとして指摘されているのが「価格」。

地政学的な理由、チップ不足、サプライチェーンの混乱等によって現在自動車の価格は高騰し続けていますが、一般にセダンはSUVよりも割安に設定されており、そのためにセダンを選ぶ人もいる、と指摘されています。

なお、セダンの価格が安いワケとしては、「セダンのほうが製造コストが低い場合が多い」という理由よりも、「SUVであればなんでも売れるので、自動車メーカーはSUVに対して高い値付を行い、高利益商品として展開してきた」という事情によるところが大きそう。

そして消費者が「割安に思えるセダン」に目を向けているというのもまた納得でき、ここからは少しづつ「時代が動いてゆく」ことになるのかも。

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ちなみにですが、上述の通り米国の自動車メーカー、欧州の自動車メーカーは「不採算車種」としてセダンを切り捨てたり蚊帳の外に追いやっているもの、トヨタ、ホンダ、ヒョンデ(ジェネシス)といったアジア勢はセダンに対して情熱を失っておらず、世界的に見ればけっこう多くのモデルを取り揃えています。

とくにヒョンデの場合、2023年第1四半期だとエラントラは+47%、ソナタは+87%という伸びを示しており、セダン回帰の状況が明らかになっていて(フェイスリフトによってカッコよくなったということもある)、ヒョンデ自身も「これからはセダン」とコメントするなど、脱SUVを積極的に進めているようですね。

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参照:Automotive News

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