もう日本は中国に勝てないのか・・・。2024年上半期、中国は日本の「202万台」を引き離して279万台を輸出し圧倒的首位に。中国車の時代が確実に到来したことを証明

｜　世界中の「普及価格帯」の自動車市場は中国車によって制圧されてしまう可能性も　｜

この流れは「正直」止めることはできないだろう

さて、2023年には中国が「日本を抜いて自動車輸出における最大国」になったことが報じられ話題となっていますが、2024年に入ってもその勢いは留まるところを知らず、なんと上半期において前年比31％増の279万台を輸出したとの報道。

同時期に日本からの輸出は0.3％減少しての202万でであったので、もはや日本と中国との差は「どうしようもないほど」開いてしまい、今回の数字は中国車の時代が確実に到来したことを証明しています。

意外なことに中国は「ガソリン車」含む内燃機関搭載車を輸出している

今回中国が輸出した279万台のうち、その内訳は乗用車は234万台、商用車45万台となっていますが、パワートレーン別に見てみると、中国が得意とする電気自動車（BEV、PHEV）は60万5000台にしかすぎず、残る219万台程度はガソリン車含む内燃機関搭載車であったとのこと。

なお、「輸出先」については報告されていないものの、おそらくは「日米欧の自動車メーカーが撤退した」ロシア市場の割合が大きいものと思われ、諸々の報道をあわせて考えると南アフリカや東南アジアといった地域の比率も低くないのかもしれません。

つまりは「所得水準がそれほど高くない」地域へと格安なクルマを輸出することで中国の自動車メーカーは日本車、そして韓国車のシェアを奪っていて、日本と韓国の自動車メーカーは、欧州や北米市場にて「自分たちが既存の欧米の自動車メーカーから獲得してきたシェアを」今度は中国車に奪われる立場にあるということになり、まさに「歴史は繰り返される」。

さらに中国の自動車メーカーは欧州市場において（EVの輸出によって）欧州自動車メーカーのEV販売を侵食しており、様々な地域と様々なセグメントにおいて既存自動車メーカーの領域へと食い込んでいて、しかし中国車が踏み込むことが難しいのはフェラーリやランボルギーニのようなスーパースポーツ、そしてロールス・ロイスやベントレーのような超高級セグメント。

これらは日常の足や移動手段としての自動車ではなく、趣味性が高い分野なので「歴史」「実績」が重要ということになりますが、反面「道具」として捉えられる普及価格帯のクルマはこれからも中国車にシェアを奪われ続けることになりそうですね。

なお、中国の自動車輸出上位5社は、奇瑞汽車、上海汽車、長安汽車、吉利汽車、BYDの順であり、奇瑞汽車は53万2000台の輸出台数で圧倒的なトップに立ち、上海汽車の43万9000台、長安汽車の28万5000台、吉利汽車の24万2000台、BYDの20万7000台を大きく上回っています。

上述の通り、2023年に中国の自動車ブランドは合計で約526万台の自動車を輸出し、その過程で日本から世界最大の自動車輸出国の座を奪っていますが、この上半期の好調ぶりが7～12月期まで続くと、年末までに（昨年を超える）558万台を超える自動車を輸出する可能性がでてきます。

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参照：Auto News