| ラインの境界を明確にするため、まっすぐにラインを引くためには繊細な作業が要求される |
この人たちのおかげで安全かつ公正な競技開催が実現できる
さて、ぼくをはじめほとんどの人がF1が開催されるサーキットにペイントされるラインについて気にかけることはないかと思いますが、今回YouTubeにて「F1サーキットのラインはどうやって引かれているか」という動画が公開。
この動画をアップしたのはユーチューバーのマット・エイミス氏で、同氏は今年のベルギー グランプリの準備中、国際モータースポーツ(FIA)のラインマーキング大手請負業者、ロードグリップの作業へと参加しています。
(当然ではあるが)F1を開催するサーキットのマーキングには厳密な決まりがあった
この「サーキットへのラインを引く作業」はF1が開催される直前に突貫工事にて進められることになりますが、その作業は地道かつ正確性が求められるもので、しかし実際の作業には昔ながらのブラシ、ローラー、マスキング テープ、そして(ラインをまっすぐに引くための)紐が使用されています。
「スパ・フランコルシャンは周囲7キロメートルなので、直線距離はかなり長くなります。周囲7,000 メートルです。 これに2本のエッジ ラインを引くことになるので、あわせて14,000メートルのラインがあります。さらにはグリッドとピットレーンを描かねばなりません」
ロードグリップ オリ・ミドルトン
もちろん使用されるのはFIAの承認を受けた塗料のみで・・・。
より境界線を明確にするためにマスキングテープを用いますが、マスキングテープそのものも恐ろしい長さが要求されそうですね。
一部ラインはこういったマシンに乗って路面に線をペイントしてゆくことになりますが、使用される塗料はサモライン(Samoline)製、そして雨天時にすべらないように細かい粒子が混ぜられており、しかしこの粒子は塗料を吹き出すノズルをつまらせることがあり、よってノズルをメンテナンスしながら作業を続ける必要があるそうで、とにかく根気が必要な作業ということになそうですね。
なお、このラインも「どのサーキットでも同じように引く」わけではなく、ランオフエリアのデザインがサーキットごとに異なるといい(今まで気にしてなかった)、様々な画像や動画を再確認してみると、たしかにサーキットごとに異なるのは間違いなく、たとえばスパ・フランコルシャンではベルギーの国旗を彷彿とさせる赤と黄色のストライプ柄を採用しています。
加えて、直近ではトラック リミットモニタリングにAI技術が導入されたことによってペイント プロトコルに変化がもたらされ、その結果、通常のトラックリミットラインのすぐ後ろにライトブルーのラインをペイントし、ソフトウェアがカメラフィードによって有効な運転と違反を区別できるようにする必要が生じたのだそう。
何気なく見ていたF1であっても、その影にはたくさんの人々の努力や作業が隠れており、「正直スマンカッタ」という感じですが、次戦からは心してサーキット上のラインにも注目したいと思います。
F1が開催されるサーキットにラインを引いてゆく様子を紹介する動画はこちら
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参照:Matt Amys(YouTube)