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アストンマーティン「我々はV12エンジンを見捨てない。それが禁止されるまではなんとしても生き残らせる」

2019/04/28

しかしながら「規制」によってパワーダウンしたV12エンジンだと誰も欲しがらないというジレンマ

アストンマーティンCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)、マレク・ライヒマン氏が英国TopGearに語ったところによると、「規制によって使用できなくなるその日まで、我々がV12エンジンを見捨てることはない」、とのこと。

現在V12エンジンを採用するスポーツカーメーカーはほかにランボルギーニとフェラーリくらいとなってしまいましたが(サルーンだとロールスロイス、メルセデス・ベンツ、BMWが残っている)、これは「環境規制」にV12エンジンを適合させるのが非常に困難なため。

そしてアストンマーティンはすでに規制対応のためにV12エンジンをターボ化し、ランボルギーニはアヴェンタドール後継モデルにてV12エンジンをハイブリッド化、フェラーリは自然吸気V12エンジン単体で生き残らせる方針を打ち出しています。

V12エンジンはアストンマーティンがアストンマーティンであるために必要

今回アストンマーティンが語ったところだと、「環境規制にV12エンジンを対応させることが困難になってきているのは承知のとおりだ」と前置きし、「しかし我々には、幸いにもV12エンジンを生き残らせるだけの余力があり、法令や規制を守ってこれを存続させる」と宣言。

なお、アストンマーティンはもともと(フェラーリやランボルギーニのように)V12エンジンをルーツに持つわけではなく、はじめてV12エンジンを搭載したのは1999年のV12ヴァンテージ。

これは5.9リッター自然吸気でしたが、2017年に発売したDB11では5.2リッター「ツインターボ」へと(V12エンジンを)スイッチしています。

ただ、すでにV12エンジンはアストンマーティンの排他性を語る上では外せないアイコンとなっていて、よってアストンマーティンは新型ハイパーカー「ヴァルキリー」にもV12エンジン(これは自然吸気)を搭載したのかもしれません。

V12エンジンが生き残る方法はほぼ残されていない

「環境」を考えるとやむを得ないとは思うものの、V12エンジンはひとつの文化でもあり、ある意味ではその企業のルーツでもあると考えていて、一定の条件付きで「文化遺産」扱いとしてV12エンジンを保護できないかと思うことも。

さらには、もともとV12エンジン搭載モデルすべてをあわせても「それほど大きな台数ではない(環境に与えるインパクトも大きくない)」と推測でき、となると各社がV12エンジン存続のために多大なコストをつぎ込んだり、V12エンジンを環境規制に適応させるために「ハイブリッド化」するほうが環境負荷が大きいんじゃないかと考えることもあります。

ただ、「例外」を認めてしまうと進む方向性が曖昧になったり、線引きが曖昧になることがあり、やはりこれは「時代の流れ」と割り切るしかないのでしょうね。

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