失ったパワーを取り返すためにもハイブリッド化は必須
V12エンジンは高級車やハイパフォーマンスカーにとって「一つの象徴」ではありますが、現在そのV12エンジンはどんどん廃止されている状況。
もともと自然吸気であったものがターボ化されて規制に対応して生きながらえるケースもあり、パガーニ、メルセデス・ベンツ、アストンマーティン、ロールスロイスはその例の一部。
それでもやはりV12エンジンは「絶滅危惧種」であるのは間違いない、というのが現状だと思います。※メルセデス・ベンツも順次V12を廃止
ランボルギーニにとって自然吸気V12エンジンはDNAのひとつ
そんな中でなんとかV12エンジンを維持しようとしているのがロールスロイス、パガーニ、ランボルギーニですが、ランボルギーニはこの中では「唯一の自然吸気」。
そしてランボルギーニは可能な限りV12自然吸気エンジンを存続させることを明言しており、そのためには様々な方法を検討していることも報じられています。
今回、ランボルギーニの技術開発担当、マウリッツォ・レッジャーニ氏がカーメディア、Wheels Magazineのインタビューに対して語ったところでは、「技術的に、我々のV12エンジンはユーロ7であろうとも対応が可能だ。しかし、その代償はとてつもなく大きい。パワーそしてパフォーマンスダウンは避けられない」。
マウリッツォ・レッジャーニ氏はこれまでにもウラカンのV10エンジンにつき、「パワーを上げることよりも、規制に対応することで”パワーを落とさないようにするほうがずっと困難”」だとも語っており、今後厳しくなる環境規制はスポーツカーにとっては相当に負担となり、開発担当者としては「パワーを上げる」より「パワーを落とさない」ようにすることが要求される時代に入っているということですね。
そしてランボルギーニは環境規制に対応することで失われたパフォーマンスを「エレクトリック化」で補うことになると思われますが、環境規制によって「研究開発費用がかさみ、一つの車に複数のパワーソースが存在し、工程が複雑になり、消費者にとっても高額な出費を強いられる」ようなるというのは「現実的にいいのかわるいのか」判断がつきかねるところ(研究、製造、廃棄について余計にかかる環境負荷は少なからず存在)。
このインタビューの最後にて、Wheels Magazeineは(ランボルギーニ創始者であるフェルッチョ・ランボルギーニとともにずっと働いてきた)マウリッツォ・レッジャーニ氏に対し、「もしフェルッチョ・ランボルギーニが存命だったら、現行ラインナップでどのクルマを一番気にいるだろうか」と質問。
そこでマウリッツォ・レッジャーニ氏は「アヴェンタドールだ」と即答し、その理由としてこう繋いでいます。
「フェルッチョ・ランボルギーニは、V12エンジンでしか出しえないサウンド、そして完璧さを好む男だった。彼に関していえば、エンジンが何よりも優先されていた」。
VIA: Wheels Magazine