| このクルマがアストンマーティン公式とは信じがたい |
アストンマーティンのパーソナリゼーション部門、「Q」が突如ロンドンにて開催されたコンクール・デレガンスの会場にてワンオフモデル「Victor(ビクター/ヴィクター/ヴィクトール)」を発表。
一見するととてもアストンマーティンとは思えないようなワイルド、さらに見方によってはレトロな風貌を持つクルマですが、これは「アストンマーティンV8ヴァンテージ」の発売70周年を記念して、V8ヴァンテージそしてDBS V8をモチーフにデザインされたクルマなのだそう。
なお、このアストンマーティンV8は007映画「リビング・デイライツ」に登場したことでも知られ、最新作である「ノー・タイム・トゥ・ダイ」にも登場することが判明していますね。
なお、過去にアストンマーティンは「年に二台はワンオフモデルを製作する」と公表。
ワンオフモデルの製作には多大なコストがかかるものの、それを上回る「リターン」があることから、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレン、ロールスロイス等が限定された顧客を対象に受注を行い、これまでにもいくつかの製作例を公開しています。
たしかにVictorのデザインは「V8」似
こうやってみると、たしかにこのVictorのデザインはV8にも似ていて、それがレトロな雰囲気を漂わせているのかもしれません。
ただしその「中身」はレトロとは程遠く、搭載されるエンジンはコスワースによってチューンされた7.3リッターV12自然吸気、そして出力は836HP(もともとはOne-77に積まれていたものだが、出力は760HPから大きく向上)。
そしてこのVictorにおける最大の見所は「マニュアル・トランスミッション」を採用しているところ。
これによって「史上もっともパワフルな、MT採用のアストンマーティン」という称号を得ることとなっています。
車体そのものもOne-77のカーボンモノコックをベースとしており、これを改良した上で、さらにヴァルカンから取り入れられたものもあるようですね。
そして改良の結果、One-77よりも軽量に仕上がっている、とも。
テールランプはたしかに「ヴァルカンっぽい」部分でもあります。
マフラーは「サイド出し」。
サスペンションはヴァルカンと同じインボードが採用されているそうですが、行動走行を考慮した仕様へと調整がなされているようです。
ホイールはセンターロック、ブレーキディスクはカーボンセラミックを採用。
リアエンドは「ダックテール」ですね。
リアサイドウインドウ内部からは「Victor」の文字。
ヘッドライトはアストンマーティンにしては「かなり珍しい」デザインを採用(今となってはレトロなイカリング)。
なお、ボディパネルは全てカーボンファイバー製で、そのカラーは「ペントランドグリーン」と命名されています。
アストンマーティンVictorのインテリアはこうなっている
こちらはVictorのインテリア。
雰囲気としてはOne-77よりもヴァルカンに近いように思えます。
インテリアカラーは「フォレストグリーン」と「コンカーブリッジ(ブラウン)」。
サイドシルには「Victor」「1 of 1」の文字。
スパルタンな仕様を持ちながらもその仕上げはあくまでもエレガント。
マット仕上げのカーボンファイバーとレザーとの相性が素晴らしいと思います。
プルタブは表裏ともにこだわった仕様。
この「Victor」のオーナー、そして価格は明かされていないものの、そのオーナーはアストンマーティンのヘリテージを愛する人であり、かつ(マニュアル・トランスミッションをわざわざ選んでいるので)クルマの運転をこよなく愛する人でもあるのは間違いなさそう。
価格についてはもともとのヴァルカンそしてOne-77のコスト、さらにワンオフという手間を考慮すると、まず「数億円」というところなのだと思います。