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【新型コンチネンタルGT】ベントレー、伝統を受け継ぐ「ヘリテージレザー」仕様を発表

【新型コンチネンタルGT】ベントレー、伝統を受け継ぐ「ヘリテージレザー」仕様を発表

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| ベントレーはレザーに対して様々な試みを行ってきたが |

今回採用されるヘリテージレザーとは?

ベントレーが「我々が誇るカスタマイズ部門「マリナー(Mulliner)」が開発したヘリテージレザーが、ついに最新のコンチネンタルGTでも選択可能になった」と発表。
この特別なレザーは、1930年代のベントレーの質感と風合いを現代に再現するもので、採用されるレザーは、100年以上の歴史を持つ英国ブリッジ・オブ・ウィア(Bridge of Weir)製だと説明されています。

World Leather Day - 3

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初期段階で展開されるカラーは「2色」


今回発表されたヘリテージレザーはナチュラルな二色仕上げとヘアセルグレイン(細かなシボ模様)が特徴で、まずはオックスブラッドレッド(赤)とパーソンズネイピアグリーン(緑)の2色展開。

そしてこのレザーをアピールするため、ベントレーは特別仕様のコンチネンタルGT マリナーを製作し、95年という歳月を超えて蘇った(ファクトリーワークス仕様の)スピードシックス コンティニュエーションシリーズとペアを組む形で発表しています。

World Leather Day - 6

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これら両車はともにベッドフォードグレーの外装、そして内装はオックスブラッドレッドのヘリテージレザーで統一。

現在各社が「ヘリテージレザー」を導入しているものの、中には「単にマーブルっぽい模様を付けただけ」という存在も少なくはなく、しかし今回発表されたヘリテージレザーの「格の違い」を見せつけているわけですね。※「過去に使用されていたものの」現代では使用が禁止されている薬品や顔料も多く、昔のレザーの風合いを再現することは容易ではない

World Leather Day - 4

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美しさと耐久性を両立したクラフツマンシップ

ヘリテージレザーの内装では、以下のディテールが職人技によって表現されています。

  • 座面のフルーティング(溝加工)
  • ドア内側のエンボス加工「Bエンブレム」
  • シート上部のキルティング加工と刺繍
  • ダイヤモンドパターンのパンチング(穴あけ加工)
  • コントラスト刺繍とパイピング

特にコンチネンタルGTでは、マリナーの技術力を余すところなく発揮した豪華な内装に仕上がっているようですね。

また、ヘリテージレザーは伝統的な自然由来のオイルやワックスを用いた仕上げを再現し、あえて微妙な色ムラを加えることで、時間と共に育まれたような味わい深さを演出しています。

ヘリテージレザーでは環境への配慮も徹底

供給元であるブリッジ・オブ・ウィアは、世界で最も低いカーボンフットプリント(平均8kg CO2e/m²)を誇るレザー製造を実現した企業。
責任ある(環境負荷を最小限に抑えた)調達とリサイクル型製造プロセスにより、革新的なサステナビリティを追求しています。

さらに、ベントレー自体もサプライヤーに厳格な環境基準を課しており、水やエネルギーの使用管理、廃棄物処理、化学物質管理に至るまで徹底されていることは既報の通り(よってベントレーのサプライヤーとなることは容易ではない)。

マクラーレン
マクラーレンやアストン等にレザーを供給する天然皮革メーカーが「ヴィーガンレザーはエコではない」とモノ申す。「樹脂が含まれリサイクルできず、有害物質を含む」

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World Leather Day - 5

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ちなみにですが、ベントレーはかなり早い段階で「レザー不使用」を全面に押し出した企業であり、代替レザーやツイードの使用を提案したものの「消費者に受け入れられず」。

こういった「レザー不使用への移行」は主に英国の企業に多いのですが、英国を代表とするカーブランド「ロールス・ロイス」では、「レザーに代わる代替素材を用意しているが、そういった注文は一度も入ったことがない」。

ロールスロイス
ロールスロイスCEO「レザー以外の内装も用意しているが、今までにそういったオーダーを受けたことはない。レザーが高級素材として求められるのには理由がある」

| やっぱり今のところはレザーを超える高級な張り材は無いのかもしれない | 結局ベントレーも「脱レザー」ができずにレザーに回帰 現在世界中がエコでサステナブルな方向へと動いており、そして何かと槍玉に挙 ...

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つまり高級車においてレザーは代替性のない高級素材であり、その後ベントレーは代替レザーの模索から一転しレザーの使用へと回帰していて、ここでは「(トレーサビリティなど)透明性の高いレザー」を使用することでそのエクスキューズとしています。

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さらに今回、ベントレーは「革は単なる素材ではなく、持続可能で、耐久性があり、そして何より美しい」「ベントレーのクルマ作りそのものと深く通じ合っている」と述べ、レザーを排除するのではなく、レザーとの共存を行う道を見出したようですね。

そしてこのコンチネンタルGT マリナー ヘリテージレザー仕様では、「伝統を大切にしながらも、現代の価値観に寄り添うベントレーの姿勢」が見事に表現されているようにも思えます。

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参照:Bentley

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