
Image:Bentley
| ベントレーが新しく提唱するのは「感覚的景観」である |
本記事のポイント
- ミラノデザインウィーク2026: ベントレーホームが「感覚的景観」をテーマにした新作を発表
- サステナブルな素材革命: 天然樹脂やリサイクル可能な天然繊維(アルパカ、リネン等)を大胆に採用
- デザインの転換: 従来の重厚なウッドパネルから、より「柔らかく、軽く、流動的」なフォルムへ
- 一生モノの価値: 時を経て深みが増す素材選びと、イタリアの熟練職人による手仕事の融合
自動車の美学をリビングへ。ベントレーが提示する「静かなるラグジュアリー」の正体
2026年4月、世界最大級のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」にて、ベントレーホームがブランドの歴史を塗り替える意欲的な最新コレクションを発表。
今回のテーマは「Sensory Landscape(感覚的景観)」で、これは「ただの高級な家具」に終わらず、素材の質感、触り心地、そして環境負荷の低減までをも追求した、現代の富裕層が求める「誠実なラグジュアリー」を具現化したものだと説明されています。
なお、従来のベントレーといえば、力強いウッドパネルやクロームの輝きという「重厚さ」がひとつの象徴ではあったものの、2026年モデルは今までの雰囲気とは一線を画し、「より軽やかで、より自然に近い」風合いを追求することで、それらを使用するオーナーの住まいを「五感を癒やす場所」へと変えることを目指しているようですね。

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素材へのこだわり:環境負荷を抑えつつ「本物」を追求
今回のコレクションの主役は何と言ってもその「マテリアル(素材)」にあり・・・。
- 天然樹脂とシェラック塗装: 表面仕上げには手作業で塗り重ねられたシェラックラッカーを採用。光との相互作用を計算した建築的なアプローチを採用し、派手さよりも「奥行き」を感じさせる仕上がりに
- 極上の天然繊維: ウール、アルパカ、コットン、リネン、モヘアベルベットなどを現地で調達。使い込むほどに味わいが出る「経年変化」を楽しめる素材選びがなされている
「サステナビリティと耐久性は切り離せないものです。年月を経てより魅力的になる素材こそが、真のラグジュアリーなのです。」
(ベントレー・モーターズ ライフスタイル・デザイン責任者 ベン・サルトマー)
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主要ラインナップとスペック
今回のコレクションを象徴する主要なアイテムをまとめてみると以下の通り。
【新作家具スペック一覧】
| アイテム名 | デザイナー | 特徴 | デザインのポイント |
| Embrace ソファ | カルロ・コロンボ | 流動的で包み込むような形状 | 全面レザー仕上げ。重厚なウッドからの脱却。 |
| Continuum チェア | チーム設計 | 開放的なフレーム構造 | 空力特性を感じさせるラインと高いカスタマイズ性。 |
| Brimham オットマン | フェデリコ・ペリ | 有機的なフォルム | 自然の景観を模した形状に、特徴的な「サドル(鞍)」を配置。 |
| Porter トランク | チーム設計 | 多機能ストレージ | ベントレーの旅の遺産を現代的に解釈した収納。 |
| Dovedale テーブル | チーム設計 | ウッドと大理石の融合 | 面取り加工(面取り)による繊細な美しさ。 |

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競合比較と市場での位置付け:なぜ今「ベントレー」なのか?
高級車ブランドが展開する家具ブランド(ロールスロイス、ブガッティ、ポルシェデザインなど)の中で、ベントレーホームの立ち位置は「クラフトマンシップと革新素材の高度な融合*にあり、多くのブランドがロゴや意匠の転用にとどまる中、ベントレーは「素材の分子レベルでの追求」と「自動車設計で培った人間工学」を家具に持ち込んでいるといい、特に今回の「脱・装飾主義」へのシフトは、昨今の世界的なトレンドである「クワイエット・ラグジュアリー(控えめな贅沢)」の潮流を完璧に捉えたものと考えていいのかもしれません。
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【考察】自動車ブランドが「家具」でサステナビリティを語る意味
今回の発表で興味深いのは、ベントレーが単に「エコな素材を使いました」と言っているのではなく、「長く使えること(Longevity)こそが最大の環境保護である」と定義している点。
これは自動車業界が直面している「走行中の環境負荷が低いだけではなく、製造や廃棄時の環境負荷も低い、あるいは製品としての寿命が長い、加えて修理時に出す廃棄物を抑える」という命題とも密接にリンクしています。
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家具もクルマも使い捨てではなく世代を超えて受け継がれるものという考え方が今後ますます重要になることは間違いなく、ミラノで披露されたこの哲学は、今後のハイエンド・インテリア市場の基準(ベンチマーク)となるのかもしれません(本業が自動車という、家具業界とは少し異なるポジションにあるベントレーだからこそなしえた提案なのだとも思われる)。

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結論:ベントレーホームが描く、未来の「家」のカタチ
ミラノデザインウィーク2026で示されたのは、「単なる新製品群」の枠を超え、それはぼくらが日々触れるものに対して、どれだけ誠実で、どれだけ心地よさを感じられるかという「生活の質」への回答ともいうべきもの。
環境に優しく、手触りが良く、そして美しい。ベントレーが提案する「静かなる革命」は、ぼくらのライフスタイルをより豊かで持続可能なものへと導いてくれることとなりそうです。
知っておきたい関連トピック:シェラック(Shellac)とは?
今回ベントレーが採用した「シェラック」は、カイガラムシが分泌する天然樹脂を原料とした素材であり、古くから高級バイオリンやアンティーク家具の塗装に使われてきたことで知られているものですが、化学塗料にはない独特の光沢と環境への無害さが現代において再評価されています。
ベントレーはこの伝統的な素材を最新のデザインに落とし込むことにより、新旧の技術を見事に融合させているというわけですね。

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