ヒュンダイはベントレーのチーフデザイナー、ルク・ドンカーヴォルケ氏を引き抜いたばかりですが、さらにベントレーのエクステリア・デザイナー、Sangyup Lee氏を雇用した模様(名前から判断するに韓国人っぽい)。
ルク・ドンカーヴォルケ氏はヒュンダイの高級車ブランド、ジェネシスを担当するとのことでしたが、今回新しく採用したデザイナーもやはりジェネシスのチームに入るようです。
なお担当するのは「主にデザイン戦略とディレクションで、内外装デザインにおいては素材やカラーの進化を促進させる」という業務。
車はいいデザイナーを雇ったからいい車ができるかというとそうではなく、要はどれだけそのメーカーがデザインのためにお金(と犠牲)を払えるか、覚悟があるのか、ということだと思います。
日本のメーカーだとスバルや三菱が過去にアンドレアス・ザパティナス氏、オリビエ・ブーレイ氏を雇っていますが、製造上の理由やコスト面からか大きくシルエットやプロポーションを変えることができず、結局は「パーツ単位」、三菱に至ってはグリルが「ブーレイ顔」になっただけ、というようなハンパな結果に。
ランボルギーニは逆に会社の要望として「ルーフをあと6センチ高くするように(それでフェラーリと同じくらいになる)」と指示があってもデザイナーが「それは格好悪くなるからできない」と退けるなどデザイナーの発言力が強く、やはり「デザインで会社を変える」にはこれくらいの牽引力が必要ではないか、と思います。
ヒュンダイがその高級ブランド「ジェネシス」のフラッグシップストアを韓国にオープン。
ジェネシスはレクサスやメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWの上位モデルをターゲットとした高級車専門のブランドですが、この展開にあたってヒュンダイは惜しみなくお金をつぎ込んでいます。
デザイナーはルク・ドンカーヴォルケで、彼は以前にVWアウディグループに在籍し、ランボルギーニ・ムルシエラゴやガヤルドを手がけ、その後にベントレーに移籍。
ベンテイガやコンセプトカーのスピード6をデザインしたことでも知られます。
その彼を引き抜く形でヒュンダイは獲得し、さらにはベントレーから他のデザイナーも引き抜くなど精力的にヘッドハンティングを実施。
おそらくはエンジニアに関しても相当数を他社から雇い入れたものと思われます。
なお韓国は輸入車の関税が高額であり、当然ライバルとなるメルセデス・ベンツやBMWの車両も高価になるため、おそらく韓国では(愛国心もあって)ジェネシスの検討が見られるかもしれませんが、他の国ではかなり苦しいかもしれませんね(それらの国に関税があろうとなかろうと)。