中国の自動車メーカー、ランドウインド(Lamdwind)がレンジローバー・イヴォークのパクリ車「X7(価格はイヴォークの1/3)」を発売しましたが、驚くべきことにこれは「よく売れている」とのこと。
ランドローバーが訴訟を起こすも中国当局はこれを「コピー」とは認めず、従ってLandwindは大手を振ってこの車を販売できるようになり、そのためか今年の上海モーターショーにもあわせて4つのバリエーションを展示していた、としています。
なお昨年6月の発売から現在までに8万台以上を販売したとしており、これは「かなりのヒット」と考えて良いかもしれません(日本でのSUVカテゴリ第一位のトヨタC-HRの販売が月1000台くらい)。
この事態についてジャガー・ランドローバーCEO、ラルフ・スペス氏が「彼らは実によくやっている。ただ、デザインは我々のものだが」と皮肉交じりにコメントしており、この「どうしようもない現状」には激しく苛ついているようですね。
なお以下はこれまでのlandwind X7の現状。
中国にてレンジローバー・イヴォークのコピー車、「Landwind X7」が8/6より発売に。
予定通りの発売となったわけですが、こういったコピー車を、さらに国際社会の批判を浴びながらも発売できる土壌があるということは驚きですね。
通常は訴訟にて販売を制止できるか、訴訟となった時点で、もしくはその前にコピー疑惑が持ち上がった段階でデザインを見なおしたりなんらかの対応があってしかるべきと思います。
ですが今回はとくに何の動きもなく、そのまま発売となっており、こういった状況があるかぎりは、いかに中国政府が「模倣品の取り締まりに力を入れている」と言っても説得力が薄いように思います(もしくは中国当局の言う”模倣品”とは、ブランド名やエンブレムまで”同一”でないとその定義に当てはまらない?)。
価格は250万円-280万円程度で、イヴォークの中国での現地価格(680万円-1000万円)とは大きな開きがあります。
なお、細部は批判を受けてか?調整が入ったようで当初ほどイヴォークとの「そっくり度」は高くありませんが(心なしかVWが風にも見える)、シルエットについては変更はなく、したがってサイドビューなどは「まんま」イヴォークですね。
こちらは本家レンジローバー・イヴォーク。
横から。この角度だとより「そっくり」であることがわかります。
他にもトヨタのコピーを作り続ける「長城汽車」等ありますが、さしものトヨタですら対策を講じることが出来ない、もしくは対策が「のれんに腕押し」と見え、世界の自動車メーカーにとって中国の模倣品は「打つ手が無い」状況なのかもしれません。
今のところは外観のコピーで済んでいますが、これが将来エンジンやトランスミッション、ハイブリッドシステム、ドライブトレーンなど、そのメーカーのコア技術に及んだ時も「打つ手なし」だったりすると、自動車産業の根本が崩れかねない、と考えたりします。
中国でレンジローバー・イヴォークのパクリ車が発表され、話題になりましたが、その「Landwind X7」が6月に発売される模様。
本来の予定は4月だったので2ヶ月遅れになりますが、それでもレンジローバーの法的手続きにもめげずに発売する、というのは大した度胸です。
なお、レンジローバー・イヴォークは既に合弁にて中国で生産を開始しており、2月から中国で販売がスタート。
448000-582000元(800万円-1000万円くらい)の価格とのことです。
そして、このそっくりさんは15000-24000元とのことなので、価格は1/3くらい、ということになりますね。
なお、中国生産の(本物)レンジローバー・イヴォークの価格は結構高めですが、これはおそらく今までの「輸入物」に配慮した価格設定なのだと思います。
本来は生産コストを考えると、この半分以下にも設定できると思うのですが、これまでに輸入したイヴォークを相当数販売しており、それらは高額な関税のために非常に高価であったわけですね。
よって、それらを購入した人たちへの配慮や、ブランドイメージというところを考えているのでは、とぼくは推測します。
つまり、中国で販売する中国生産イヴォークは非常に利益率の高い車であり、今後のタタの利益に大きく貢献するであろう、ということですね。
なお、このLandwindも中国車としては比較的高価な部類ですが、この価格に「見合う」かどうかは不明。
ちなみに現在中国車メーカーは比較的苦しい状況に立っているようです。
合弁にて生産を行っているフォードやVW、日産あたりがかなり安価な価格設定で車を販売しており、そしてそれらメーカーは生産規模が大きいので、原価自体もかなり安い、とのこと。
それらに対して生産数がさほど大きくない中国メーカーが価格で対抗しようとすると(かなり安くしないと売れない)、利益を圧迫する、という事情のようです。
ランドローバーがレンジローバー・イヴォークのコピー、Landwind X7を「コピー」として訴訟を行いましたが、中国の当局はこれについて「両成敗」の形をとった模様。
要はイヴォーク、X7双方のデザイン特許を「無効」としたわけですが、まさに「勝者なき」訴訟となっています(返り討ちもちくはヤブヘビ)。
当局の言い分としてはランドローバーに対し「イヴォークは特許出願前に公の前に出ているので新規性はないので特許は認められない」、ランドウインドに対しては「イヴォークに似ているので特許として認められない」という理由。
中国としては、おそらくランドローバー側の訴えを(自国産業保護のため)退けたかったのだと思いますが、そうすると海外からの反発を招くことが予想され、「双方無効」という苦肉の策に出たのでしょうね。
結果がこうなるとランドウインドはレンジローバー・イヴォークのパテントを気にせず大手を振ってX7を売れるわけで、逆にイヴォークをなんらかの手段で訴える可能性も出てくるかもしれません(何といってもイヴォークのデザインパテントが”無効”になりイヴォークは防御の手段を持たないので)。
イヴォークは現在中国企業とジャガー・ランドローバー合弁にて中国で生産が行われますが、Landwindとこの合弁先とがなんとか話をつけてくれると良いものの、おそらくは「同胞同士」ということでランドローバーには非協力的な態度を示すと思われます。
ついにジャガー・ランドローバーが中国自動車メーカーのつくるイヴォークのコピー車「Landwind X7」をデザイン盗用の咎で訴える模様。
ただし、これだけ話題になっているにもかかわらずジャガー・ランドローバーが勝てるかどうかは微妙とのことで、そこには中国のややこしい権利保護システムも絡んでいるようですね。
なお北京モーターショーにおいては主催者の判断でランドウインドX7は「国際モーターショーにふさわしくない」という判断で展示が却下されているので中国側から見ても「似ている」ということになるのだと思いますが、もしジャガー・ランドローバーが負けるようなことがあれば、今後中国車のコピーには歯止めがきかなくなりそうです。
中国版レンジローバー・イヴォークも中国のメーカー(チェリー)との合弁で生産されており、つまりイヴォークとイヴォークのコピーは「同胞同士」の闘いとなるわけですが、その意味でも訴訟の行方は気になるところ。
ちなみにイヴォークのコピー車、ランドウインドX7については、ランドウインドのディーラーにて「イヴォークにより近づけるキット」が販売されているとのことで、そのあたりから悪意は立証できそうではありますね。
レンジローバー・イヴォークをコピーしたLAND WIND X7ですが、発売時には事前のコンセプトに比べるとややイヴォークとの差異が感じられる仕様になり、「さすがに悪いと感じたのか(反省したのか)」と思っていたわけです。
しかし、奴らはそれほど善良ではなかった。
というわけで、LAND WINDのディーラーがアフターパーツにて、イヴォークのグリルとエンブレムを販売開始。
車両を世論の批判からかわすためにちょっと変更したぶん、購入後にさらにイヴォークに近づけるための戦略をここで採用したわけですね。
ここまでくると完全に悪意があるとしか思えず、これでなんらかの対応が下されないようであれば、世の中の正義とはなんなのか、と考えたりします。
信じられませんが、これが「中国」なのでしょうね。
イヴォークのコピー、Landwind X7がカラーをチェンジして上海モーターショーにも展示。
広州モーターショーで発表された後に問題となりましたが、中国メーカー側はまったく問題としていないようですね。
これがまかり通るのが全くもって不思議ですが、こういったコピーが許されるのであれば、どんどん追随するものが出てきそうです。
中国メーカーによるイヴォークの劣化コピー、Landwind X7ですが、成都モーターショーに再登場。
今回はエアロパーツを身にまとっていますが、国産車中心のカー雑誌に投稿される読者のイラストのような雰囲気。
とりあえずゴチャゴチャしてフィンや穴かあればいい、という感じです。
なぜかフロントにもディフューザーがあり、ディフューザーはクローム仕上げ。
リアについてはマフラーが3本だしになっており、これは周辺ともどもフェラーリ458イタリアを思わせます。
なお、このLamdwindという会社はフォードの現地での合弁相手(中国に海外自動車メーカーが工場を建設する際は必ず現地企業との合弁が必要)とのことで、フォードはかつてランドローバーを所有していたこともあったり、と奇妙な縁ですね。