改造してあるものの合法、かつ「普通に乗れる」範囲
マクラーレン720がゼロヨンで8.99秒(終速は256.8km/h)を記録したとして話題に。
ただしこの720Sは「完全ノーマル」ではなく、ターボの変更、フリーフローエキゾーストシステムへの交換を行い、出力は943馬力、そしてタイヤはハイグリップタイプへと変更されています。
ただ、重要なのはこのマクラーレン720Sが「合法」というこで、公道走行が可能、かつ普通に乗れるクルマでもある、ということ。
ゼロヨン9秒台はこれくらいスゴい
なお、下記は「ノーマルで」のゼロヨンタイムランキング。
助手席なし、標準装備のタイヤがドラッグレース用というダッジ・チャレンジャーSRTデーモンで9.65秒というタイムです。
ダッジ・チャレンジャーSRTデーモン(2017) 9.65秒 ブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツ(2011) 9.7秒 マクラーレンP1(2014) 9.8秒 ポルシェ918スパイダー(2014) 9.8秒 ラ・フェラーリ(2015) 9.8秒 ブガッティ・ヴェイロン(2006)9.9秒 ランボルギーニ・アヴェンタドールSV(2012)10.4秒 マクラーレン675LT(2015) 10.4秒 テスラ・モデルS P100D 10.44秒 ポルシェ911ターボS(2016) 10.5秒 ランボルギーニ・ウラカン(2015) 10.6秒 アウディR8 V10 Plus(2016) 10.6秒 フェラーリ488GTB(2016) 10.6秒 マクラーレン12C(2012) 10.7秒 フェラーリ458スペチアーレ(2014) 10.7秒 |
「でも、ちょっと改造したら1秒くらい短縮できるんじゃないの?」という向きもあるかもしれませんが、ゼロヨンで1秒を縮めるのは並大抵のことではなく、1400馬力、4WDのポルシェ911の改造車「9ff」が8.89秒を出しています。
⠀そして3500馬力のウラカンは8.253秒。
これらと比較すると、馬力に劣り、かつ駆動輪が後輪のみというマクラーレン720Sが8.99秒を叩き出したのはまさに驚異的としかいいようがなく、今回はそのタイムを出した様子が動画にて公開されています。
まず、ゼロヨン会場ではグリップを最大化するためにタイヤウォーマーでタイヤを温めることに(気温はそこまで高くなさそう。ただし酸素の密度は濃くなるので、それはそれでOKか)。
場所はニュージャージー州の直線コース。
しっかりラバーが乗った状態ですね。
そしていざスタート。
ゼロヨンは「ただ加速するだけ」ではなく、タイヤ空気圧、スタートなどすべての条件が「完璧に」揃う必要があり、数本走ったうちの最初は「9秒台」、しかし徐々にタイムを詰めています。
こちらがそれぞれの速度域における(数本走った中での)ベストタイム。
驚くべきは0-60MPH(約0-100キロ)加速が1.92秒ということで、これは新型テスラ・ロードスターの2.1秒、リマックC_Twoの1.95秒(両方とも市販されておらず、目標値)よりも速いタイム。
おそらくこの速度域において「これより速いクルマはない」と思われ、史上最速といっていいタイムだと思います。
⠀マクラーレン720Sはとにかくゼロヨン最強の呼び声が高く、実際にぼくも試乗したときに思いっきり加速してみましたが、その中間加速はまさに圧巻(初速は4WDを採用するランボルギーニ・ウラカンのほうが速く感じる)。
今のところ加速勝負で「負け知らず」な一台でもあり、これを負かすことができるクルマはとうぶん出てきそうにありません。
VIA: DragTimes - YouTube