| マクラーレン720Sが王座に君臨していた期間は長かった |
さて、マクラーレン720Sというと「ドラッグレース最速スーパーカー」として知られる絶対王者です。
アメリカのドラッグレース専門ユーチューバー、DragTimes氏は720Sを購入して「1年くらい乗ってから売ろうと考えていた」ものの、そのあまりの速さ、そしてこれよりも速いクルマが出てこないので「仕方なく、ずっと720Sに乗っている」とコメントしているほど。
そして、1年で30本のドラッグレースを走り、その中で負けたのはカリカリチューンの日産R35GT-R、ウエット状態でのポルシェ918スパイダーのみ。
つまりノーマル車同士、そしてドライであれば「無敗」ということになります。
やはり911のトラクション性能は他車ではとうてい得られない
そして今回はCarwowがそのマクラーレン720S、そして発売されたばかりのポルシェ911ターボSとの加速競争を動画にて公開。
なお、マクラーレン720Sにかろうじて食いつけるクルマと言えば991世代の911ターボSくらいという印象でしたが、その後継モデルである992世代の911ターボSは果たしてマクラーレン720Sに勝てるのか、というところが焦点となります。
まずはマクラーレン720Sはですが、こちらは4リッターV8ツインターボ、出力は720馬力。
このエンジンをミッドマウントしトランスミッションは7速デュアルクラッチ、駆動輪は後輪のみ。
英国での価格は210,000ポンドです。
対抗するポルシェ911ターボSは3.8リッター水平対向6気筒エンジンから650馬力を発生し、トランスミッションは8速PDK、そして駆動方式は4WD。
ちなみにイギリスでの価格は154,000ポンド。
パワーこそマクラーレン720Sに劣るものの、とトルクはマクラーレン720Sの770Nmに対して800Nmと「逆転」しています。
なお、重量にはけっこう差があり、ポルシェ911ターボは1650kg、マクラレーン720Sは1420kg。
ポルシェ911ターボの車体はスチール+アルミ、そして駆動方式に4WDを採用するということから、「カーボンモノコック採用」のマクラーレン720Sより重いのはやむを得ない、といったところですね。
そしてスタート!
ポルシェ911ターボSの加速は凄まじく、さすが4WD、そしてさすが後輪に荷重が乗るリアエンジンレイアウトといったところです。
ちなみに車検証を見る限りでは、空冷時代の911よりも現代の911のほうが後輪に掛かる重量配分が大きく、それは補機類が増しているためだと思われますが、そのぶんトラクションが掛かるというメリットもあるようです。
さらに911ターボSは怒涛の加速を見せてマクラーレン720Sを引き離し、マット・ワトソン氏は思わず「マクラーレン720Sどこ行ったん?」と振り返るほど。
勝負の結果はこうなった
何本か走ってみてのポルシェ911ターボSのベストタイムは10.1秒。
一方のマクラーレン720Sは10.4秒。
おそらくポルシェ911ターボはこのタイムをコンスタントに出せるものと思われ、よって「ゼロヨン王者」はついにマクラーレン720Sからポルシェ911ターボSへと入れ替わることになりそうですね。
参照:carwow
タイカン・ターボSであっても、918スパイダーには敵わない
なお、イギリスの888MFはポルシェ918スパイダーとタイカン・ターボSとのドラッグレースを動画にて公開。
918スパイダーはガソリンエンジンにて後輪を駆動し、エレクトリックモーターにて前輪を駆動するハイブリッド(合計887PS)。
一方のタイカン・ターボSはは前後にエレクトリックモーターを積むピュアEV(761PS/4WD)。
動画を見ると、スタートではタイカン・ターボSが918スパイダーに食らいつく場面もあり「もしや」と思わせるものの、その後大きく離されて歯が立たず。
やはりEVは「スタートには優れていても、その後の伸びはガソリンエンジンには一歩譲る」ようですね。
これを解決するには「多段トランスミッション(タイカンは2速)」を積むしかなさそうですが、ほとんどの人が走らないであろうドラッグレースや超高速域のためだけにトランスミッションを積むのは「本末転倒」なのかもしれません。
参照:888MF