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【わずか3年でCEO交代】マクラーレン、アブダビ系への売却直後にCEOが辞任。SUVやEVの未来は?

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| モータースポーツでの輝かしい伝統を持つマクラーレンが今、大きな転機を迎えている |

てっきりマクラーレンは前CEO体制のもと、SUV投入へと「まっしぐら」だと思われていたが

マクラーレン・オートモーティブがCEOマイケル・ライターズ氏が退任した発表し、このニュースは同社がアブダビの投資会社CYVNホールディングスに売却されたわずか数週間後に届けられたものだけに「一体何があったんだ」と話題に。

なお、マイケル・ライタース氏はポルシェではカイエン、フェラーリではプロサングエの開発を主導したエンジニア出身という人物で、その手腕をもってマクラーレンにおいてもSUVを開発・市場投入し、大きく同社の変革を図るであろう(そして利益を向上させるであろう)と期待されていた人物です。

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マクラーレン新CEOに前フェラーリ重役、そしてポルシェに在籍したマイケル・ライターズ氏が就任。プロサングエ、カイエンの開発経験を買って「マクラーレンもSUVを」?

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【新体制】新CEOには元ジャガー・ランドローバー幹部のニック・コリンズ氏が就任

ライターズ氏の後任としてCEOに就任したのは、現マクラーレン・グループ・ホールディングスのCEOでもあるニック・コリンズ氏。

彼は以前、ジャガー・ランドローバーに在籍していた実力派で、今後はマクラーレンとEVスタートアップ「Forseven」の統括を担うとアナウンスされていますが、ニック・コリンズ氏は、「マクラーレンはもっと多くを提供できる企業になる」とコメントし、将来の事業拡大に意欲を示しています。

参考までに、4月にアナウンスされた内容だと、「それまでマクラーレンの投資元のひとつであったCYVNホールディングスが追加投資を行ってマクラーレンの支配株主となってバーレーン系のムムタラカットから経営権を取得し、マクラーレン・オートモーティブとイギリスのラグジュアリースタートアップ”Forseven(フォーセブン)”とを統合して新たな企業体である”マクラーレン・グループ・ホールディングス”を設立する」とされており、このフォーセブンを率いていたのがニック・コリンズ氏。

そして今回はそのニック・コリンズ氏が「新生」マクラーレンのトップに就任するということになりますが、これはCYVNホールディングスの意向であると捉えていいのかもしれません。

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マクラーレンの未来は「高性能×多様性」へ

現時点ではまだマクラーレンの新しい方針は発表されていませんが、新たに設立された「マクラーレン・グループ・ホールディングス」は、以下の事業を傘下に置くことが明かされており、ゆくゆくは今後の計画などが発表されることとなるのかもしれませんね。

  • マクラーレン・オートモーティブ(車両製造部門)
  • マクラーレン・ライセンシング(ブランド管理)
  • EVスタートアップ「Forseven」(同社のEV技術を活用)

なお、SUVの開発を進めてきたと見られるマイケル・ライタース氏が「外された」のはちょっと意外でもあり、というのもアストンマーティン「DBX」やランボルギーニ「ウルス」、フェラーリ「プロサングエ」の成功を見れば明らかなように、高級SUV市場は急成長中で、マクラーレンがこの波に乗るのは時間の問題であったと見られていたため。

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今回の人事が「マクラーレンのSUV投入が遠のいた」ことを意味するのかどうかはわかりませんが、マイケル・ライタース氏は「ピュアEVには好意的な意見を持っておらず、しかし新しいマクラーレンはフォーセブンの持つ電動化技術を活かし「ピュアEV」としてSUVを作りたかった可能性も考えられ、そのため(電動化へとシフトスべく)CEOを入れ替えたのだとも考えられます。

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真相はまだまだわからないものの、今回のCEO交代とオーナーシップ変更は、単なる人事や資本移動にとどまらず、マクラーレンのブランド戦略を根底から変える可能性を秘めており、今後どのようなビジネスモデルを採用するのか、そしてどんなクルマを生み出すのかに期待がかかります。

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