| ダイヤモンドがダッシュボードに埋め込まれるのは意外なことに「初」 |
価格は非公開だが、すでに25台の限定台数すべての枠が埋まっているそうだ
さて、ロールス・ロイスが先日予告していたブラックバッジの最新特別モデル「ブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクション」を発表。
このÉkleipsisとは英語で言うところのエクリプスつまり皆既日食ですが、ロールス・ロイスは今回、「光と闇の魅惑的な相互作用を探求し、月が太陽を完全に覆い隠すという畏敬の念を抱かせる瞬間」をその内外装に再現することとなっています。
ロールス・ロイス・ブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションは25台のみの限定販売
なお、このブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションは顧客の依頼によってカスタムされたワンオフモデルではなく「25台のみが販売される(ロールス・ロイスの企画による)限定モデル」。
大きな特徴としては「アニメーション表示がなされるスターライト・ヘッドライナー」「まばゆい0.5カラットのダイヤモンドをはめ込んだダッシュボード、専用のタイムピース」「皆既日食の瞬間に見られる360度の薄明かりを表現したシート」が挙げられていますが、それらを含む車両の仕様を見てみましょう。
まず、このブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションについて、ロールス・ロイスは以下のように語ります。
「皆既日食という、この天体の配置の魔法をとらえることで、ロールス・ロイスの野心と卓越性の文化を映し出すことに成功し、現代のクラフツマンシップを再び高めました。私たちは、これらのクルマを、世界中の最も重要なお客様25名にお届けできることを大変光栄に思っています。私たちのブランドの偉大さを鼓舞し、現代のラグジュアリーをさらに大胆に、そして細部まで豊かに表現する原動力となっているのは、このようなお客様たちなのです」
そしてこのブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションのボディカラーは「リリカルカッパー」。
一見するとブラックのようにも見えますが(パンテオングリルそのものはブラック)、月に隠されつつもその輪郭から見え隠れする太陽のコロナを表現しているものと思われます。
この塗料には実際にパウダー状の銅顔料が使用されており、光を受けるまでは黒っぽく見えるものの、いったん光を受けると豊かでドラマチックな虹色の輝きを放つ、とのこと。
このボディカラーに組み合わせられるのはマンダリン(オレンジ)で、フロントバンパー内のダクト、ブレーキ・キャリパーやホイールセンターキャップ周辺を飾り、日食が進むにつれて目撃される強烈な太陽光のパルスを想起させることに。
手描きのコーチラインにも同じマンダリンの色調が使用され、月が太陽を覆い隠すように接近し、太陽光から暗闇へと移り変わる様子を繊細な抽象画で表現しているのだと説明されています。
ロールス・ロイス・ブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションのインテリアはこうなっている
そしてこちらはブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションのインテリア。
このモデル専用のビスポーク・スターライト・ヘッドライナーが装備され、そのインスピレーションとなった日食のように、特別なアニメーションが表示され、皆既日食の様子を視覚的に示すこととなり、ドアを閉めてエンジンが始動すると、スターライト・ヘッドライナーの「星」が暗くなり、月の暗いシルエットが太陽の明るい光を完全に隠すという”皆既日食を再現した魅惑的なシークエンス”が開始されます。
ルーフには940個のLEDによる「星」の輪が形成され、月のシルエットの周りの明るいコロナを表していて、これを囲むようにさらに192個の「星」が光を放ち、皆既日食のときにだけ見られる、昼間の空に輝く星々の異世界の光景が再現されることとなるわけですね。
このアニメーションは、皆既日食の最長時間、つまり7分31秒をもって再現完了となりますが、この時間が経過すると、「通常の夜空の星座」へと表示が切り替わり、このアニメーションの再現するために要したのはなんと「1年」。※ロールス・ロイスのビスポークチームは、これら「星」のデザインと配置を完成させるために3つの完全なプロトタイプを製作したという
さらにダッシュボードには、皆既日食を象徴する1,846個のレーザーエッチングされた「星」が輝き、これは一人のビスポーク・デザイナーによってそれぞれの「星」の大きさと位置が調整され、やはり「完璧に」皆既日食を表現しているようですね。
そしてクロックの上にはブリリアントカットの0.5カラットのダイヤモンドが組み込まれ、このダイヤモンドは、月が太陽を隠す直前と直後の数秒間に、月の輪郭上にまばゆい光を放つ一点を見ることができる「ダイヤモンド・リング」効果をイメージしたのだそう。
ちなみにロールス・ロイスの歴史上、時計のベゼルに宝石が組み込まれたのは今回が初だといい、ダイヤモンドがしっかりと固定し、いかなる状況でも脱落しないようにするため、アセンブリーには-30℃から+90℃までの気候条件下での厳しいテストが行われています。
皆既日食の過程では、「黄金色の薄明かりが日食を見る人々を包み込み、360度夕日が沈んでいくような錯覚に陥る瞬間」があるといい、このシートが表現しているのがまさに”その瞬間”。
ロールス・ロイス・ブラックバッジ ゴースト Ékleipsisでは、めったに見ることのできないこの現象の美しさを、20万個以上のパーフォレーションで作られたバイカラーのシートで表現しています。
その他の特別装備だと、ライトアップされたキックプレート、コーチドアに収められたマンダリンパイピングつきの傘、プライベート・コレクションのワードマークが入った屋内用カーカバーなど。
当然ではありますが、これら25台はすでに「完売済み」であることもあわせてアナウンスされています。
ロールス・ロイス・ブラックバッジ ゴースト Ékleipsis プライベート・コレクションを紹介する動画はこちら
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参照:Rolls-Royce