
Image」McMurtry
| このクルマはすべての「常識」を覆している |
あらゆる面において、これまでの「自動車」とは異なる思想を持って設計された存在である
自動車の歴史において既存の物理法則や「速さの常識」を根底から覆す異次元のハイパーカーがついに誕生。
イギリスのハイテク新興メーカー、マクマートリー・オートモーティブ(McMurtry Automotive)が、これまで世界各地のサーキットで驚異的なコースレコードを打ち立ててきたプロトタイプEVの市販バージョン、『スペアリング・ピュア(Spéirling Pure)』を正式に発表することに。
価格は995,000ポンド(現在の日本円で約2億1500万円)、生産数はわずか100台に限定されるとアナウンスされていますが、約1,000馬力のパワーもさることながら、最大の特徴は車体底部に設けられた強力な「ツインファン」システムにあり、これによって「時速0km(静止状態)でも車体を地面に”吸い付ける”ことによって2,000kg(2トン)以上のダウンフォース」を生み出すことが可能となるわけですね。
車体重量が(ダウンフォースよりも軽い)1.3トンなので、「理論上」だと静止した状態から天井に張り付いて走行でき、実際にプロトタイプではその状態を再現することに成功しています。
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この記事の要約(30秒チェック)
- ついに市販化へ: グッドウッド・ヒルクライムの絶対王者が、コンポーネントの95%を刷新して市販版「スペアリング・ピュア」として完成
- 物理を置き去りにする加速: 2基のモーターで後輪を駆動。1,000馬力のパワーにより、0-60マイル(約96km/h)加速は驚異の1.55秒
- 静止状態で2トンの吸引力: 23,000rpmで回転する強力ファンが路面の空気を吸い出し、速度に関係なく車体を地面に強烈に押し付ける「Downforce-on-Demand」を搭載
- 驚異の3Gコーナリング: F1マシン並みの強大なダウンフォースにより、旋回時やブレーキング時に「3G」の重力加速度を発生
- 航続と充電: バッテリーを100kWhへ大型化。LMP2プロトタイプレーシングカーと同等の全開ペースで約40〜50kmの連続走行が可能

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プロトタイプから95%の部品を刷新した「本物のクオリティ」
これまでグッドウッドのヒルクライム記録を塗り替え、2025年にはTop Gearテストトラックで2004年のルノー製F1マシンの記録を3秒以上短縮する55.9秒という大記録を樹立したスペアリング。
今回発表された市販版「ピュア」は、その外観こそプロトタイプに酷似しているものの、マクマートリーによれば「95%のコンポーネントが新設計」となっています。
最も大きな変更点は、バッテリー容量が従来の60.0kWhから、より実用的な100.0kWhへと大幅に拡大されたことで、これに伴い、ホイールベースを2,200mmに延長したうえ、カーボンファイバー製モノコックシャシーも、世界的なモータースポーツ基準に適合するよう再設計されてキャビン内のドライバーの足元や肘回りのスペースが広くなり、居住性・安全性が向上することに。

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冷却システムはリアからフロントへと移設され、熱交換器の効率を20%軽量化しつつも性能が向上し、さらに、F1スタイルの油圧パワーステアリング、夜間走行を可能にする灯火類、専用開発されたオーリンズ製ダンパーなど、100人の特別なオーナーがサーキットでその性能を安全かつ100%引き出せるような超一級のアップデートが施されています。
マクマートリー『スペアリング・ピュア』主要スペック表
| 項目 | 市販仕様:Spéirling Pure(2026年発表モデル) |
| 駆動方式 | ツインモーター・後輪駆動(E-ディファレンシャル搭載) |
| 最高出力 | 1,000 bhp (1,013 PS / 745 kW) |
| 0-96km/h加速 | 1.55秒(1フィートロールアウトを含む) |
| 最高速度 | 190 mph (約306 km/h) |
| 最大ダウンフォース | 2,000 kg (4,409 lbs) 以上 ※時速0kmから発生可能 |
| 最大重力加速度 | 旋回・制動時ともに 最大 3g |
| バッテリー容量 | 100 kWh リチウムイオンバッテリー |
| 連続走行距離(レースペース) | 25 〜 31マイル (約40 〜 50 km) ※LMP2レーシングカーと同等ペース |
| 充電時間 (20% - 95%) | 20分 〜 60分(350kWピーク充電対応、環境により変動) |
| 車両重量 | 約 1,350 kg ※オプションにより前後 |
| 全長 × 全幅 × 全高 | 3,815 mm × 1,795 mm × 1,056 mm |
| ブレーキ | 390mm×34mm ベンチレーテッド・カーボンセラミック(Brembo製6ポット) |
| 生産台数 / 価格 | 世界限定100台 / 99万5,000ポンド〜(約130万ドル / 日本円で約2.1億円〜) |

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魔法の「Downforce-on-Demand(ファン・システム)」の仕組み
一般的なスーパーカーやF1マシンは、速度が上がることでウイングやボディ底面に風を流し、その空力(グランドエフェクト)によってダウンフォースを発生させますが、そのため「低速コーナー」では十分なグリップが得られないという物理的な限界も。
しかしスペアリング・ピュアが採用する「ファン・システム」は全く異なる理論を持つもので、車体後部に設置された2基の超高速ファンが23,000rpmという驚異的な回転数で床下の空気を文字通り「吸い出し」、これによって車体の周りに密閉されたスカートシステムと連動し止まっている状態から車重(約1,350kg)を大きく上回る2,000kgの力で路面に吸い付くことを可能とするわけですね。
このツインファン構造は「冗長性(バックアップ機能)」も兼ね備えており、万が一走行中に片方のファンが故障しても、もう片方が膨大なダウンフォースを維持することが可能だといい、また、万が一スピンした際にもファンが強烈な制動力を発揮することで通常のハイパーカーでは考えられないほど短い距離で車両を安全に停止させることができるのだそう。

Image:McMurtry
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なお、このマクマートリーの技術がどれほど革新的かを理解するため、自動車史における「ファン・カー」の背景を知ると、より深い面白さが見えてきます。
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Image:McMurtry
結論
マクマートリー『スペアリング・ピュア』は、既存の「1000馬力オーバーのEV」という枠組みには収まらない、自動車工学のブレイクスルーであり、まさに動く「究極の工業製品」です。
2億円を超える価格や100台という限定数は決して一般向けではなく、しかし速度がゼロであっても地球の重力に逆らい、3Gという超絶的なコーナリングの世界をドライバーに提供するこのクルマは、間違いなく次世代のハイパフォーマンスカーが目指すべき「新しい光」を示しています。
実車はまもなく開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でお披露目された後、8月にはアメリカの「モントレー・カー・ウィーク(The Quail)」にて北米デビューを飾る予定だといい、2026年末からのデリバリー開始に向け、世界の富裕層やコレクターたちの間で、この小さな怪物を巡る争奪戦が激化することは間違いものと思われます。
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参照:McMurtry











