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【動画】閉鎖されたブガッティの工場からフレームを入手し組み立てられたブガッティ・タイプ59が競売に!その歴史的価値は図りしれず、とんでもない価格がつきそうだ

【動画】閉鎖されたブガッティの工場からフレームを入手し組み立てられたブガッティ・タイプ59が競売に!その歴史的価値は図りしれず、とんでもない価格がつきそうだ

| 当時のクルマは「行方が知れなくなったり」と謎の個体がかなり多い |

そして、それぞれのクルマがそれぞれのストーリーを持っている

さて、110年以上もの歴史を誇り、数々の名車を排出してきたブガッティですが、意外やそのクラシックモデルがオークションに登場することはな少なく、つまりは「所有している人が誰も手放したがらない」のだと思われます。

そして今回紹介するのは1935年式ブガッティ・タイプ59/50Sで、その成り立ちはやや特殊であり、というのも「完成したのが1990年代はじめ」だから。

どういうことかというと、復元家であるレイ・ジョーンズ氏なる人物が、1960年代に閉鎖されたブガッティのモルスハイム工場から「ブガッティType59ワークスフレームNo.2」を1990年代に入って入手したことからこのストーリーがじはじまることに。

このブガッティ・タイプ59/50Sは伝統のパワーユニットを搭載

なお、このフレームにはエンジンが搭載されておらず、そしてレイ・ジョーンズ氏が探してきたのは、ロベール・ブノワ(マルセル・チャールズ・ブノイスト)が1935年のグランプリに出場した際に搭載したとされるスーパーチャージャー付き4972cc直列8気筒(ブノワストは1933年にスタニスラフ・ザイコフスキー伯爵のType54を駆り、数々のスピード記録を樹立している)。

このエンジンを、入手したNo.2フレームに搭載し、4速マニュアルギアボックス、ダブルリダクションリアアクスル、ZF製リミテッドスリップデフといったパワートレイン、スプリットフロントアクスル、油圧ガバメント式ショックアブソーバー、楕円リーフスプリング、19インチワイヤーホイールといった足回りを組み込み、ボディワークにはアルミ製のリプロダクト品を装着することに。

さらに2015年~2016年にかけてはレストアが行われており、その際には手書きによるナンバリング「24」を含む再ペイントが行われたそうですが、2017年のカヴァリーノ・クラシック、2019年に開催されたペブルビーチ・コンクール・デレガンス、2020年のボカラトン・コンクール・デレガンス、2022年のマー・ア・ラゴでのパームイベントなど様々なコンクールイベントに登場し受賞した経験がある、とのこと。

このタイプ59/50Sは現在、フロリダ州スチュアートにて保管されており、FIAヒストリック・テクニカルパスポート、デビッド・スウェルによる真正性レポート、モルスハイム工場での写真、修復時の写真、技術図面のコピーなど関係する書類も全て揃い、まさに理想的な個体だと言えそうです。

ブガッティ・タイプ59とは?

このブガッティ・タイプ59についてですが、これは1933年に、国際自動車クラブ連合(Association Internationale des Automobile Clubs Reconnus)が翌年度から車体重量を750kgに制限するというルール変更に対応する形で(タイプ54の後継として)デビューしたクルマ。

タイプ59専用のドリルド・シャシーにタイプ57の2.8リッターもしくは3.3リッターのスーパーチャージャー付きエンジンをローポジションマウントし、8台のみが生産されたと言われます。

ただ、1934年には大きな戦果を残せなかったといい、そこでブガッティはその状況を挽回すべく、フレームナンバー「6」に対し、世界速度記録を樹立したワークス・タイプ54に搭載されていた4.9リッターの専用開発エンジンを搭載するというスペシャルモデルを製作した、という記録も残っています(1935年のフランスGPでロベール・ブノワがドライブしている)。

そして今回販売されているブガッティ・タイプ59/50Sは、ロベール・ブノワがフランスGPを走ったマシンそのものを再現した個体ですが、単なるレプリカではなく、上述の通りエンジンは実際にロベール・ブノワが使用したもので、ボディワークについては当時の図面や写真をもとに制作されたといい、ラジエター形状、テールパネルのリベットなど固有の特徴も再現されています。

タイヤサイズはフロントが5.00-19、リヤが5.50/6.00-19のブロックレー製で、ブレーキはケーブルによって作動し、フロントはドリルドバッキングプレートとベンチレーションスクープを備えたフィン付きドラム。

サスペンションは、フロントに半楕円形リーフスプリング、リアに倒立1/4楕円形リーフスプリング、4輪デ・ラムショックアブソーバーを採用し、後者は油圧を使ってレバーアームの移動速度に応じた減衰力を発生させるというシステムを持っています。

ブガッティ・タイプ59/50Sのコクピットはこんな感じ

このブガッティ・タイプ59/50Sのコクピットを見てみると、シートは右側、そして左側にはボックスが設置されていて、このボックスはオイルリザーバータンクとのこと(そこからチューブが伸び、カウルトップマウントのラジエターによってオイルが冷却されるようだ)。

ボディやインテリアに使用されるリベットの間隔が非常に狭く、パネルの浮きや歪みがないことからも非常に高い加工精度を持つことがわかりますが、ステアリングホイールのスポークやメーターリングなどもちゃんと角が落とされており、まるで芸術品のような仕上がりを持つこともわかります。

ブガッティ・タイプ59/50Sを紹介する動画はこちら

参照:Listing Videos

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