
| 生産規模は「大きくはなく」、しかしR8を製造していた工場にて慎重に行われる |
TTの再来ではなく、新時代のシンボルへ
さて、アウディは昨日「衝撃の」コンセプトCを発表していますが、これは「かつて初代TTがアウディにもたらした改革の再現」を狙ったもの。
よってプロジェクト名そのものが「TTモーメント2.0」と命名されており、しかしアウディはこのコンセプトCの市販化を明言しながらも「TTの再来ではない」と語っています。
「我々が発表するすべてのコンセプトは、市販化が前提です。『コンセプトC』も遠い未来のビジョンではなく、具体的な量産車のプレビューです」
アウディCEO ゲルノート・デルナー
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生産は“スーパーカー工場”ベリンガーホーフェで
そしてこのコンセプトC(まだ量産時の車名はわからない)の生産地は、かつてR8やe-tron GTが製造された ベリンガーホーフェ工場。
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この工場は小規模ながら高い柔軟性を誇り、1,000名規模のスタッフがスポーツカーの組立に従事していて、現時点で語られるコンセプトCの概要は以下の通り。
- 年間生産規模は最大3,000〜4,000台程度
- TTのピーク時(5万台超)と比べれば圧倒的に少量生産
- サステナブルな生産技術の実験拠点としての役割も持つ
つまり「コンセプトC」は、かつてのTTのような大衆的スポーツカーではなく、かつ販売台数と目に見える利益を追求するクルマでもなく、限定的な生産台数でプレミアム性を高めた“ハローカー”としての立ち位置になり、アウディのイメージを牽引する役割を担うということになりそうですね。
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アウディ コンセプトCのデザインとブランド戦略
ゲルノート・デルナーCEOはこのコンセプトCにつき、「スポーツカーはスピード、デザイン、感性の象徴であり、ブランドの魅力を高める存在」と強調。
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デザイン部門を率いるマッシモ・フラスチェラ氏もこう語ります。
「アウディは常に大胆なブランドでした。革新とデザインで躍進してきた歴史を持ち、今こそ再び“大胆である時”なのです」
その言葉通り、「コンセプトC」のデザイン言語は今後のアウディ全モデルに展開される予定であるといい、文字通りアウディはこのコンセプトCを起点として「変わってゆく」のかもしれません。
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まとめ
- 「コンセプトC」は TTの直接的後継ではない
- 生産はスーパーカー工場ベリンガーホーフェで、小規模&高付加価値モデル
- ブランドのハローカーとして、今後のアウディデザインを牽引
量産される台数は少なくとも、アウディのイメージ戦略においては極めて大きな役割を果たすことになることは間違いなく、「スポーツカーを持たない」ことでコモディティ化してしまったアウディのイメージを変革することが期待されています。
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参照:CARBUZZ, AUDI