| 初代BMW M3の相場は現行M3よりも高い領域に |
E30世代、つまり初代BMW M3の価格はここ数年で大きく上昇していますが、今回はそのM3の中でも更に希少な「M3 Evo Ⅲ」がオークションに登場予定。
この「M3 Evo III」は、正式には「M3スポーツエボリューション」と呼ばれ、1989-1990年にかけて600台のみが製造。
DTM参戦のためのホモロゲーションモデルで、排気量がレギュレーションにあわせて2.3リッターから2.5リッターへと拡大され、エアロパーツも専用品に。
BMW M3はこんなクルマ
もともとBMW M3は1985年に登場していますが、その目的は「レースに参加するため」。
DTMやそのほか欧州のツーリングカーレースに参戦することを目的に開発され、歴代M3の中で唯一モータースポーツ参加のために開発・製造されたモデルでもあります。
そのため通常の3シリーズからのモディファイ度合いはかなり大きく、ブリスターフェンダーにはじまり専用のフロントバンパー、空力向上のためにルーフを延長し、さらにトランクリッドもハイデッキ化してウイングを追加するなど大幅な改装が施されることに。
メカニズム面では専用エンジン(2.3リッター直4、当初は195馬力からスタート)搭載、5シリーズから流用されたブレーキやナックル類を持つことが特徴です。
バリエーションとしてはM3カブリオレ、M3ヨーロッパマイスター、M3 Evo、M3 Evo Ⅱ、M3チェコット、M3ラバーリア、そして今回のM3スポーツエボリューション(M3 Evo Ⅲ)。
このM3 Evo Ⅲでは排気量が2.3リッターから2.5リッターへとアップしたことで出力も238馬力へと向上しており、0-100キロ加速は6.5秒、最高速度は248km/hというスペックに。
今回の開催されるオークションでは最高で1300万円を超えると見られていますが、この価格は現行M3の価格をも超えるもので、いかに近年のE30 M3の価格高騰が凄まじいかがわかりますね。
なお、このM3の価格が高価なのにはもう一つ理由があり、それは最初のオーナーがF1重鎮の一人、チャーリー・ホワイティング氏であること。
同氏は1991年に新車購入後、1996年までこのM3 Evo Ⅲを所有した、とのこと。
チャーリー・ホワイティング氏はもちろん、これまでのオーナーも運転を楽しんできたようで、走行距離は154,003キロとけっこう進んでおり、しかしコンディションは画像の通り上々だそうです。
なお、カスタム&レストア済みのBMW M3 Evo Ⅲがさらに高い落札予想にて出品されたことも。