| おそらくこのまま販売が失速することになりそうだ |
さて、発売されてしばらく時間が経過したトヨタGRスープラ。
予期されたとおり転売物件が多数登場していますが、どれもいまひとつ動いてはいない模様。
なお、こういった転売が出てくるのは「需要に供給が追いついていないから」だと思われ、たしかに人気が集中した「RZ」については納期がいつになるのかわからない、と行った状況が昨年にアナウンスされています。
ただ、最新の工場出荷目処をトヨタのサイトにて確認してみると、大人気だったはずのRZで「2020年3月以降」、SZ-R/SZで「2020年4月以降」。
つまり、今注文しても1~2ヶ月もすれば出荷され、そこから船での輸送を経て、納車整備などを行うことを考えても、さらに3-4ヶ月後には納車がなされる、ということに。※発表時には最短でも8ヶ月を納車に要し、RZの納車はいつになるかわからないと言われていた
実は売れてないのかGRスープラ?
ここまで納期が短縮されるとなると邪推してしまうのが「すでに販売が減速しているのでは」。
増産したんじゃないの?という意見もありそうですが、欧州の工場は計画的に生産を行う傾向があり、クルマの製造にかかるパーツ類も計画的に仕入れ、工場のラインも計画的に可動させているために「簡単には増産できない」体制となっています(このあたり、下請けと密接な関係を持ち、増産がすぐにできる日本の工場とは事情が異なる)。
ちなみに欧州では当初予定されていなかった(安価な)4気筒モデルが追加されていて、こういった例を見ても「やっぱり売れていないんじゃないか・・・」を思わざるを得ない部分も。
GRスープラ販売低迷?欧州にて「4気筒」エントリー版が限定モデルとともに追加される。開発者「4気筒モデルのほうが鼻先が軽く楽しい」
なお、話題性や人気と「販売」とが必ずしも一致しないのがこの世界で、たとえばGRスープラは北米であれほど話題になりながらも販売ペーストしては「月514台」。
これはけして多い数字ではなく、たとえばフォード・マスタングは月あたり5,091台、ポルシェ911は911台(偶然の一致)、マツダ・ロードスターは月512台。
ただ、ポルシェ718シリーズの271台、BMW Z4の247台、トヨタ86の211台に比較するとけっこう多く、日産GT-Rの31台、ホンダNSXの16台に比較してもやはり多い数字です。
それでも「発売したて」「あれだけ話題になった」ことを鑑みるに「必ずしも多い」とは言えず、遅かれ早かれ失速することになりそう。
困るのは「GRスープラ転売組」
そうなると困るのがGRスープラの人気にあやかって転売を試みたショップや個人ですが、カーセンサーを見ると15台のGRスープラの登録が見られ、ざっと確認してみると「走行1km」から数十キロの個体ばかりで、もっとも走行が多いものでも「100km」。
つまりこの状況を見るに転売を目論んでの購入ということになりそうで、実際に同一ショップが複数台のGRスープラを販売しているケースも。
価格についてはもっとも高価なもので7980万円。
これはRZグレードで、オプションが付いているといえど、車両本体価格690万円に対しては相当に高いと考えられます。※700万円オーバーは8台もある
そのほかは「応談」が2台、もっとも安価なのはSZの555万円(SZの車両本体価格は490万円)。
なお、こういった「転売」については新型ジムニーが登場したときにも散見されましたが、その際にも「あまり動かず」転売組の目論見が大きく外れたといった状態に。
おそらく、プレミア価格を払ってでも購入するのは「(ロレックスのように)買った後も価格が上がる」場合のみで、受給が一段落した後に価格が下がるであろうスープラに対し、よほどの事情がない限り「プレミアを払ってまで」購入する人はいないのかもしれませんね。