
| BMWが購入したのは「アルピナの商標権のみ」、製造設備は創業者一族のもとに残る |
アルピナ創業者一族「ボーヴェンジーペン」は思いのほか精力的に活動中
2026年春、オーストリアのマグナ・シュタイアーでの生産終了に伴い、BMW Z4とその兄弟車であるトヨタ GRスープラが市場から姿を消すこととなっていますが、BMWのラインアップから真のライトウェイト・スポーツカーが途絶えてしまったことを惜しむファンも多い中、かつてアルピナ(Alpina)を設立したボーフェンジーペン(Bovensiepen)家から、驚くべきニュースが飛び込んでくることに。
生産終了となったZ4をベースに、アルピナの魂と最新技術を注ぎ込んだコンプリートカー「Bovensiepen Spider(ボーヴェンジーペン スパイダー)」が突如として発表され、ライトウェイトオープンカーの走る歓びを現代に蘇らせる、この特別な1台の魅力に迫ってみたいと思います。
この記事の要約
- アルピナの創業者一族が手がけるブランド「Bovensiepen」が生産終了となったBMW Z4をベースにした限定モデル「Spider」を発表。
- マクラーレンP1などを手がけたフランク・ステファンソンによる洗練されたエアロデザインとカスタム20インチ鍛造ホイールを採用。
- 3.0L直列6気筒ターボ(B58)エンジンは429馬力までスープアップされ、専用サスペンションや補強パーツで走りも大幅に強化。

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Bovensiepen(ボーフェンジーペン)ブランドとZ4 Spiderの概要
アルピナの商標権自体は2025年にBMWグループへ移行しましたが、長年にわたり独自のチューニングを手がけてきた技術と事業(生産設備)は創業者であるボーフェンジーペン家に残されており、そこで彼らは「Bovensiepen」名義で新たなスタートを切り、これまでにもZagatoボディをまとうM4、そしてM5ツーリングをベースにした高性能モデルを送り出してきたわけですね。
そして今回発表された「Bovensiepen Spider」は世界限定99台のみが生産される超希少なロードスターで、オープンエア・モータリングの楽しさ、軽量化、そして鋭いハンドリングを追求し、真のドライビングプレジャーを提供することを目的として開発された、と説明されています。
フランク・ステファンソンによるデザインと強化されたメカニズム
エクステリアデザインには、マクラーレン P1や初代BMW X5のデザイナーとして知られるフランク・ステファンソン(Frank Stephenson)氏を起用。
グロスブラック仕上げのフロントスプリッター、フェンダーのホイールアーチベント、リアディフューザーに加え、ボディ同色のダックテールスポイラーがスポーティで伸びやかなシルエットを形成しています。
| 項目 | Bovensiepen Spider スペック | (参考)Z4 M40i 最終型 |
| エンジン | 3.0L 直列6気筒 ターボ (B58) | 3.0L 直列6気筒 ターボ (B58) |
| 最高出力 | 429 hp | 382 hp |
| 最大トルク | 428 lb-ft (約580 Nm) | 369 lb-ft (約500 Nm) |
| トランスミッション | 8速オートマチック (RWD) | 8速オートマチック (RWD) |
| 最高速度 | 162 mph (約260 km/h) / パッケージ装着時 183 mph (約294 km/h) | 155 mph (約250 km/h) ※リミッター |
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足回りにはリアのヘルパースプリング延長やダンパーの最適化、フロント4ピストンキャリパーを核としたハイパフォーマンスブレーキ、20インチ鍛造ホイール(ミシュラン Pilot Sport 4 S)が採用され、さらに別途用意されるパフォーマンスパッケージでは、冷却フィン付きのリアデフカバーやアンダーボディVブレースが加わり(かなり本気)、サーキット走行や高速域での耐久性と剛性を底上げすることに。
競合比較・市場でのポジショニング
自動車メーカー各社がSUVやEV(電気自動車)、あるいはより実用的なパフォーマンスカーへシフトする中、そして環境規制によってどんどん車体が重く大きくなってしまう状況において、古典的でコンパクトな2シーターオープン・スポーツカーの選択肢は日々減少しており、現実的に「ほぼなくなってしまった」というのが今の状況。

そういった状況にあって純粋な内燃機関(ICE)を搭載したオープンモデルの希少価値と存在意義が高まっていて、Bovensiepen Spiderはヨーロッパでの価格が11万5,500ユーロ(約2,060万円〜)からと高価格帯に位置するものの、完成されたFRレイアウトと伝統の直列6気筒エンジン、そして手作業で仕立てられたラグジュアリーな内装(VernascaレザーやAlcantara、Lavalinaレザーステアリング等)を備えた唯一無二のコレクターズアイテムとも言える存在です。※かなり高価ではあるが、極端に高価ではなく、そしてフランク・ステファンソン氏のデザインということを考慮すると「その価値はある」
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補足情報
今回のパワートレインチューニングによる「429馬力」というスペックは、興味深いことに欧州および日本市場向けに設定された「GRスープラ Final Edition」の出力設定と重なっていて、これはBMWのB58エンジンが持つ潜在能力の高さを改めて証明するとともに、メーカー純正の生産が終了してもなおサードパーティの情熱によって名車のDNAが受け継がれ進化し続けるという現代の自動車カルチャーにおける新たな可能性を示すものであるとも考えられます。
結論
Bovensiepen Spiderは”一度は歴史の表舞台から去った”BMW Z4に、アルピナゆかりの職人技とハイパフォーマンスを吹き込んだ奇跡のロードスター。
電動化や自動運転化が加速する現代において、「軽量・FR・オープン・ハイパワー」というクルマ本来の走る歓びを追求した本モデルは、世界中のスポーツカーファンにとってまさに救世主のような存在と言えるでものであり、限定99台という狭き門ではあるものの、クルマ好きの記憶に強く刻まれる名車となることは間違いないであろうと考えています。
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参照:Bovensiepen











