| なんだかんだ言われるメルセデスAMG Oneではあるが、ここまでレーシングカーに近いハイパーカーは他になさそう |
色々と他のクルマと異なる部分も多く、しかしそれを楽しめる人には最高のクルマかも
さて、先日ついに発売されたメルセデスAMG One。
今回はメルセデス・ベンツがそのAMG Oneを注文した顧客を対象にした試乗イベントを(ドイツのインメンディンゲンにあるダイムラーのテストコースにて)開催し、その様子を(イベントに)参加したAMG OneのオーナーがYoutube上へと公開しています。
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メルセデスAMG Oneのエンジンは「F1由来」
なお、メルセデスAMG One最大のトピックは「F1マシンから移植されたエンジン」であり、しかしこれが原因で開発が思うように進まず、そのために発売が遅れてしまったのもまた事実。
そして開発遅れの理由としては、そもそもF1マシン用のエンジンがあまりにナーバスであり市販車には向かなかったこと、そしてアイドリング回転数が5,000rpmと高く、実用回転域も高いためにCO2を大量に排出し、そして騒音規制にもパスできなかったことが挙げられています。
実際のところ、動画を見るとアイドリング時のサウンドはかなり大きく(回転数まではわからないが、1,200rpmまで下げられているようだ)、かつEVモードでのサウンドも意外と大きいので、メルセデス・ベンツはこのクルマのノイズ対策にかなり苦労した(そして完全には解消できなかった)ことがわかりますね。
参考までに、アストンマーティンが納車を開始したばかりのハイパーカー、ヴァルキリーも相当に大きなサウンドを発しており(こちらはV12エンジン搭載)、乗員同士が会話するためのヘッドセットが付属しています。
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この1.6リッターV6ターボエンジンにつき、レブリミットは11,000回転という高回転っぷりを誇り、ターボチャージャー用とあわせると4つのエレクトリックモーターを内蔵することになりますが、ハイブリッドシステムを合わせた合計では1,063馬力を発生させることに。
ちなみにメルセデスAMG Oneに積まれる1.6リッターV6ターボエンジンは「5万キロ走行ごと」にリビルトが必要だそうですが、まずこのクルマで5万キロも走る人はいないと考えていいのかも。
なお、0-100km/h加速は2.9秒、最高速は352km/hだと公表され、しかし全般的には当初掲げたパフォーマンスよりは劣ってしまい、それについては一部オーナーから不満も聞かれます。
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メルセデスAMGはAMG Oneに搭載される技術も紹介
そして今回の試乗イベントでは、メルセデスAMGのプロジェクト・リーダーであるマルコ・ロッホマー氏(発売できるまで、毎日社内では針のむしろだったんだろうな・・・)がじきじきにオーナーたちへとAMG Oneが採用する技術を紹介しており、アクティブエアロ、カーボンモノコックシャシーに直接マウントされたF1マシン用エンジン(フェラーリF50と同じくブッシュ類なし、ストレスマウントということになる)、予熱式触媒コンバーターなどについても解説することに。
ちなみにですが、このメルセデスAMG Oneは「常に」エレクトリックモードにて起動し、そこから触媒を(電気的に)暖めはじめ、触媒が適温に達した後にようやくガソリンエンジンが始動するといい(おおよそ50~60秒後)、となると常にある程度の充電を行っておく必要がある、ということになりそうです。
ちなみにフューエルキャップを開くには、アジャスタブルペダルボックスの左側にあるガソリンタンクを減圧するためのスイッチを先に操作する必要があり、減圧が完了すると自動的にフューエルキャップが開く仕組みになっています(キャップ自体はけっこう普通)。
そのほか、マルコ・ロッホマール氏はドライブモードについても解説していて、たとえば「Race+」モードだと車高が下がってフェンダー上のルーバーが展開。
加えて一時的に加速力を向上させることが可能な「ブースト機能」があり、これは一部レーシングカーに備わる「パスモード」のようなもので、このAMG Oneがレーシングカーと非常に近いコンセプトにて作られているということを再確認させられますね。
メルセデスAMG Oneの試乗イベントの様子を紹介する動画はこちら
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参照:Rana65556