さよなら、メルセデス・ベンツAクラス・・・。セダンとハッチバックは現行モデル限りで販売終了、Bクラスも廃止されコンパクトモデルは「4種類」に

｜　メルセデス・ベンツは今後「高価格、高収益」モデルに特化　｜

いろいろな理由から「メルセデス・ベンツはコンパクトモデルを廃止すべき」である

さて、メルセデス・ベンツは「高価格帯、高利益モデルに集中する」という戦略を打ち出していますが、今回は同社の最高技術責任者（CTO）、マルクス・シェーファー氏がAクラス・セダンとAクラス・ハッチバックを終了させ、同社のコンパクトクラスを「CLA、CLAシューティングブレーク、GLA、GLB」の4つに集約するとコメント。

正確には「現行Aクラス セダンとAクラス ハッチバックの生産が終了した後、後継モデルはない」と語っており、よってすぐさま販売終了となることはないようですが、この発言にはいささかショックを禁じ得ず、ちょっと悲しいような気もしますね。

その目的は「コスト削減」

なお、今回の「Aクラス セダンとAクラス ハッチバックの終了」につき、その目的はご推察の通り「コスト削減」。

コンパクトクラスはいくつかの市場だと非常に人気があるものの、このクラスは非常に競争が厳しいために利益が大きくはなく、そしてワールドワイドで見るとさほど大きな数が出ないことから「廃番」となるもよう（やはりメイン市場のひとつ、北米や中国では小さなクルマの人気がない）。

よって今後、メルセデス・ベンツはこのクラスの車種を4つにまで絞ることとなるわけですが、マルクス・シェーファー氏は以下のようにも語っています。

「複雑さを減らすことが私たちにとって重要な課題であり、このセグメントでコンパクトファミリーを7モデルから4モデルに縮小する必要がありました。世界中で通用するモデルが必要です。中国やアメリカも含めてです。ハッチバックはヨーロッパで人気があることは知っていますが、それは今後の計画には含まれていません。私たちは選択をしなければならず、その中には難しい決断もありました。」

さらにマルクス・シェーファー氏は「Bクラス」も廃止モデル対象であることに触れ、しかし逆に「ベイビーGクラス」が登場することにも言及していますが、このベイビーGクラス（gクラス）は（ラインアップに残る）CLA、CLAシューティングブレーク、GLA、GLBとは機械的に関係はなく、これら4モデルに採用されるMMAアーキテクチャとは異なり、よりオフロードに特化した車体を採用することで「G」の名前にふさわしいものになる、とコメントしています。

そのほか、直近だと「EQ」ブランドが廃止され、完全電動版となる次世代EQAとEQBは、GLAおよびGLBファミリーに統合される予定であること、CLAシューティングブレークには電動バリエーションが登場することがわかっていますが、これらに加えて様々なポートフォリオ上の見直しが行われるのかもしれませんね。

ちなみにですが、ぼくも「メルセデス・ベンツはコンパクトクラスを廃止すべき」だと考えていて、その理由はコストカットというよりは「自社内のカニバリズム」。

どういうことかというと、メルセデス・ベンツはデザイン戦略的に「金太郎飴的」方向性を採用していて、たとえばセダンだと（素人目には）AクラスとCクラスとの区別がつきにくく、そして近年のメルセデス・ベンツはどのクラスにも基本的に同じインフォテイメントシステムを採用し、更にいえばエンジンのバリエーションも減少しています。

要は「上のクラスを購入しても、下のクラスを購入しても、そんなに変わりがなくなってきている」のが近年のメルセデス・ベンツであり、本来はCクラスを購入していた人がAクラスを購入しているんじゃないかとも考えるわけですね。

よってメルセデス・ベンツの中で「AクラスがCクラスの利益を食っている」可能性も否定できず、この意味でもコンパクトクラスを展開するのは「避けるべき」であるとも考えています。

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参照：Motor1