BMWにとって新型M5ツーリングは「嬉しい誤算」。セダンの販売を侵食せず、セダンの1/3と見積もった台数を超え、セダン同等以上の受注を獲得することに

Image：BMW

｜　もともと「ワゴン」は北米では人気がなく、そのため「ニッチ」だと見られていたが　｜

まさかハイパフォーマンスワゴンがここまでの人気を獲得しようとは

さて、BMWは「M5ツーリング」を世界の主要市場へと投入していますが、BMWの主力市場でもある北米では「ワゴン」の人気が非常に小さく、というのも「ワゴンを買うならSUVを買う」という風潮があるためだと言われています。

よってこれまでBMWはステーションワゴンを北米（アメリカ）市場へと投入することに消極的であったとされ、それでも今回「M5ツーリング」を北米にて発売し、そこでは「うれしい誤算」が生じているもよう。

北米でのBMW M5ツーリングの販売は「セダンと同じ」

今回報じられた内容によれば、新型BMW M5ツーリングは北米にて好調なスタートを切っており、BMWの顧客・ブランド・販売担当副社長であるシルビア・ノイバウアー氏は「M5セダンとワゴンの生産は現在50:50の割合で行われており、BMWの初期予想を上回る結果となっている」とコメント。※具体的な台数には言及されていない

更に同氏は「当初、セダンの生産を3分の2、ワゴンを3分の1にする予定だったが、それは実際には異なっている」「セダン購入者がワゴンに流れているわけでもなく、セダンの需要も予想を上回っているため、BMWは両モデルの生産を増加させた」。

「今、セダンの需要が増えているのがわかります。そのため、セダンの生産を増加させました。しかし、ツーリングの需要はそれ以上に高いため、ツーリングの増産はさらに大きいです。」

Image：BMW

つまり新型M5セダンの販売も予想を超えていて、そしてワゴンはセダンの販売を損なうことなくそこで「販売を上乗せ」しているため、BMWにとってはかなりの利益増加が期待できるのかもしれません（Mモデルはもともと利益が厚いと言われる）。

2025年型M5ツーリングは昨年8月にデビューし、セダンと同じハイブリッドV8エンジンを搭載し、最高出力727馬力を発揮しますが、発表時に話題となったのはその「重量」。

M5セダンともどもその重量（セダンだと、先代よりも500kg重くなり、なんと2,445kgである）ばかりがクローズアップされてしまい批判の対象となってしまったわけですが、「ジャンボキドニー」同様、実際の購入者はそこを気にせず、重量について騒ぎ立てていたのは「実際にはM5を買わない層」だったのかもしれません。

Image：BMW

なお、上述の「北米でのワゴン不人気」に起因して北米ではM3ツーリングの販売がなされていませんが、もしかするとこの「M5ツーリングの人気」を受け、北米でもM3ツーリングが販売されるようになるのかもしれませんね。

合わせて読みたい、BMW関連投稿

参照：Motor1