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ポルシェ993「プロジェクト・ゴールド」はなぜ登録/公道走行ができない?その意外な理由に迫る

2018/08/29

| ポルシェ”プロジェクト・ゴールド”はなぜ公道走行ができない? |

ポルシェは先日、993世代の911を現代に新車として蘇らせる「プロジェクト・ゴールド」を進める中、ついに完成させた美しい911を公開していますが、その911はなぜか「公道走行不可能」。

今回、いくつか現代の技術が盛り込まれた「レストア+モディファイ=レストモッド」にはなるものの、基本的には市販モデルの993ターボに準じており、かつ灯火類なども公道走行に問題はなさそう。

なぜなら騒音や環境規制を満たしていないから

今回Jalopnikの取材に対し、ポルシェクラシックのセールス&マーケティング部門のボスであるフィリップ・サルム氏が語ったところによると、今回の車両は「2018年の新車」としての製造番号(車体番号)が与えられているものの、この993の中身は当時のままを再現しており、よって2018年の新車に適用される騒音含む環境規制に適応していないことが「登録不可」の理由だとしています。

たしかに欧州を中心に規制が厳しくなっており、ほかメーカーでもいくつかのモデルは生産を終了したり、ポルシェでも対応が完了するまで生産を一時停止するモデルも登場していますね。

もし、これがなんらかの「ベース車両」を用いて、そしてその車体番号を活かしたままで「2018年の新車ではなく」当時のクルマとして再生していれば登録OKとなっていた可能性があったということなのかもしれませんが、これは新車として復元する際の”思わぬ落とし穴”といった感じ。

なお、993世代の911に採用されるエンジンはもちろん「空冷」ですが、996世代以降は「水冷」。
水冷のメリットとなるとエンジンの温度管理が容易になるということが挙げられるものの、構造としては「エンジンブロック内に冷却水を通るための水路=ウォータージャケット」が設けられるため、その分エンジンの騒音が静になる、という利点も(ある種の人々にとっては逆にデメリット)。

これが「水冷エンジンは音が・・・」「空冷エンジンの音が・・・」と言われる原因となり、空冷エンジンのほうが、エンジン本体を通じて濁りがない爆発音を聴かせるということですね。

ポルシェはプロジェクト・ゴールドによって再生されたこの911について、「殆どの国では登録のための規制をパスすることはできないだろう」としており、よってこれを購入した人はガレージに保管しておく、もしくはこの”世界に一台”の貴重な911に負荷をかける勇気があるのだったら「サーキット走行」でしかその魅力を味わうことができない、ということになりそう。

VIA:Jalopnik

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