| ポルシェはもっとも売れているモデルをエレクトリック化するという手段に出た |
フルモデルチェンジ版と見られる、新型ポルシェ・マカンのプロトタイプが(おそらく)はじめて目撃に。
現在マカンは「もっとも売れているポルシェ」ですが、次期マカンにはこれまでどおりのガソリンエンジンモデルのほか”ピュアエレクトリックモデル”もラインアップされることが決定しています。
つまりは「最も売れているモデルをエレクトリック化する」ということになり、これはある意味では大きな決断だと言えますが、それだけポルシェが「エレクトリック化に本気」と捉えることもできますね。
なお、再量販モデルをエレクトリック化する背景としては、「ポルシェはおそらく、CO2平均排出量を大きく引き下げたいのだろう」とも考えていて、これは欧州にて導入されている「CO2総排出量を販売台数で割った平均値(CAFE値)を一定以下にせよ」という規制に対応する狙いがあると言えそう。
単純に考えて、一番売れているモデルのCO2排出を減らすのが”もっとも手っ取り早く”CAFE値を下げる手段だということになりますが、ポルシェがそこまでしてCO2排出平均値を下げたいのは「GT系をなるべく長く、エレクトリック化せずに生き残らせたいから」だとも考えています。
ポルシェは上述の通り「エレクトリック化待ったなし」のブランドであり、現行911(992)発売前から、992のモデルライフ後半にはハイブリッドを投入すると明言し、GT系もハイブリッド化するということを示唆。
ただしここ最近はそのトーンもちょっと落ちていて、「現状のバッテリー性能では、ハイブリッド化は難しい」「GT系はガソリンエンジンを死守」という方向へとシフトしつつあります。
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そして「ガソリンエンジン死守」というのはポルシェと同じくフォルクスワーゲングループ傘下に収まるブガッティも最近コメントしており、ポルシェの姿勢変化と合わせて考えると、フォルクスワーゲングループは「一部ではエレクトリック化を継続して進めるが、スポーツカーはガソリンエンジンを維持し続ける」方針に舵を切ったとも考えられます。
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そこでポルシェについては「エレクトリックマカン」の出番となり、最も売れているマカンをエレクトリック化することで一気にCO2平均排出量を下げ、そのぶんでGT系、そしてスポーツモデルのCO2排出量を許容できる値に(全体で)調整したいという意向を持っているのかもしれません。
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「次世代マカン」の開発はまだ始まったばかり
なお、この新型マカンについては、現行モデルと多くが共通しており、まだまだ開発が始まったばかりだとも考えられます(ただし発表は来年辺りだと言われる)。
ただしフロント、サイド、リアの一部がカバーされていて、現行とは異なる何かをテストしている様子も確認可能。
そして次期マカンにはガソリンエンジンも残されると言われ、このプロトタイプを見るとテールパイプが存在し、かつそこに雪が付着していないので「ダミーではなく、ちゃんと機能している」ガソリンエンジン搭載車だということもわかりますね。
ちなみに次期マカンは最低でも「ガソリン」「ピュアエレクトリック」とが存在することになりますが、これらのプラットフォームは完全に別となり、ガソリン車は現行プラットフォームの改良版、そしてピュアエレクトリック版はフォルクスワーゲングループのPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)となる可能性が大。
なお、このPPEはタイカンに採用されている「J1」プラットフォームの改良版だとされています。
VIA:Motor1