| ボディカラーは「ダークバトルシップグレー」 |
2008年の創業以来、独自の解釈にて130台以上もの水冷世代911をレストモッドしてきたジンガー・ビークル・デザイン。
主には901そして964世代の911を手がけ、そのスタイルは964であっても「901風に」巻き戻すのが特徴です。
そして今回もまた新たな作品を公開していますが、その名も「ウォーレン・コミッション」。
ちみに、ちょっと前には「オナーロール・コミッション」が公開されていますね。
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ジンガーが最新作”ポルシェ911オナーロール”公開!渋いカラーのタルガボディにオレンジ×ブラックのインテリア
| ジンガーは驚くべきことに130台ものポルシェをカスタムしてきた | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49813034177/in/datep ...
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グレーにワインレッドのシックな組み合わせ
そして今回のウォーレン・コミッションの特徴はそのシックなカラー。
ボディカラーは「ダークバトルシップグレー」にペイントされ、本来メッキであった部分はチタン調のマットシルバーに、そしてホイールやボディアンダー、サイドの「PORSCHE」ステッカーはマットブラック。
エンジンはジンガーのチューンによる空冷4リッター水平対向に換装されており、出力は公表されていないものの、これまでの例からすると「500馬力」を誇るものと思われます。
そしてエアクリーナーボックスまでもクラシカルそして優雅に仕上げ、美しいペイントが施されていることもわかりますね。
エンジンフードはダックテール調に変更され、やはりチタン調のルーバー、そして誇らしげな「4.0」のバッジ。
「Singer」の文字は控えめ、そしてエキゾーストシステムもマットシルバーにペイント済みです。
組み合わせられるトランスミッションは6速マニュアル。
ベースが901だとすると重量は1,000キロちょっと、964であっても1,300キロくらいであり、それを「500馬力+MT」で操るのはさぞかし痛快だろうと思われます。
インテリアカラーはブラックに「オックスレッド」、カーペットはグレー。
オーディオシステムもアップグレードされてサブウーファー、さらにはカーナビゲーションも装備している、とのこと。
見た感じはカーナビを持つようには見えないので、例の「クラシック911にマッチするカーナビゲーションシステム」を使用しているのかもしれませんね。
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【動画】ポルシェが初代~996世代までの911に対応する、”見た目が自然な”Apple CarPlay対応のコミュニケーションシステムを発売!やっぱりポルシェは過去の車を見捨てない
| これで不便を感じることもなさそうだ | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49812623246/in/dateposted-public/ ...
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シートはフルバケットですが、クラシカルなヘッドレスト付き。
シートのセンターは「ウーブン(編み込み)レザー」、そしてボルスター部分はヴィンテージ加工が施されています。
通気性を確保するためにブラスカラーのアイレットが装着されていますね。
このウーブンレザーは表革とスウェード(もしくはヌバック)と組み合わせられたもので、製造コストは非常に高価だと思われます(ボッテガ・ヴェネタのイントレチャートのようなもの)。
この素材は加えて非常にデリケートであり、扱いには注意を要することになりますが、つまりは「丁寧に乗ることができるオーナー」でないとこの仕様は向いていないということになりそうです。
ドアインナーパネルにもウーブンレザー、そして上質な金属。
レブカウンターもオックスレッド。
7000回転からがレッドゾーンですが、目盛りは11000回転まで。
ちなみにジンガーの空冷4リッターエンジンは9000回転まで許容する、と聞いたことがあります。
普段は見えないフロントトランク内までもがゴージャスな仕上がりに。
オックスレッドレザーにグレーのステッチが採用されています。
タワーバーも装着されて給油口はセンターに移動していますが、どんな小さなパーツに到るまでも妥協を許さない加工が施されていることがわかりますね。
ホイールは伝統の「フックス」風デザイン、そしてディスクとボルトはマットブラック、リムはマット仕上げのチタンカラー。
ブレーキディスクはカーボンセラミック、キャリパーはオックスレッドにペイントされています。
ジンガーの作る911は創業当初「1200万円くらい」ということで受注を開始しましたが、実際にレストモッドを開始すると思ったよりも時間やコストがかかったようで、その価格は予定の倍くらい、完成までの時間も大幅に延長されることに。
それでもオーナーの期待をはるかに超える仕上がりを持っていて、だからこそ「10年待ち」とも言われるウエイティングリストができあがるのでしょうね。
続々公開される車両を見ていると、やはり最新のモデルほど新しい手法やデバイスや加工が取り入れられており、よりレベルの高いカスタム車両となっているように思われます。
その意味では、ジンガーにおいても「最新の製品が最良の製品」なのかもしれません。