| ムーステストは欧州ではひとつの「重要な目安」だと捉えられている |
そしてボクはリアエンジンよりもミドシップポルシェのほうが好みである
さて、欧州市場では比較的重要視されている「ムーステスト(もしくはエルクテスト)」。
これは衝突安全試験のように、自動車販売時の必須テスト項目ではないものの、このスコアが低いと販売に影響が出ることが多く、よって自動車メーカーは(このテストの数値が低く出ると)販売を一旦停止して改良を施し、再度発売するといったケースが見られます(過去にはメルセデス・ベンツAクラスがこの対応を取り、トヨタRAV4もエルクテストに対応できるよう改良を行っている)。※一般的には時速72キロでのクリアが目安となっている
ムーステスト(エルクテスト)とはなんぞや
そこでこのムーステストについてですが、これは一般道を走行中に「道路の真ん中にムース(ヘラジカ)が飛び出してきた」と仮定し、それを避けてまたもとの車線に戻るときの挙動をテストするもの。
この「もとの車線に戻る」、つまり急ハンドルで避けた後に復帰できるかどうかは非常に重要なポイントで、これができないと、実際の環境では道を外れたり対向車に正面衝突したり、崖の下に真っ逆さま、ということも起こり得ます。
ムーステストに登場するのはポルシェ718ボクスター25周年モデル
そして今回のテストに使用されるのはポルシェ718ボクスター「25周年モデル」。
これは718ボクスターGTSに積まれる4リッター自然吸気6気筒エンジンを搭載し、ボディカラーが(カレラGTと同じ)GTシルバーにペイントされるという限定モデルで、フロントバンパー、サイドインテーク、ホイールにはゴールドがあしらわれ、インテリアはボルドー(深いレッド)仕上げになるという特別な仕様を持っています(1250台のみの限定モデルなので、こういったテストに使用するのはもったいない)。
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ポルシェ 718ボクスターの運動性のはやはり素晴らしかった
そこで実際にムーステストを走ってみた結果ですが、決められた間隔に配置されたコーンに接触せずに車線を変更し、またもとに戻る必要があり・・・。
時速75キロではあっさりクリア。
テスターは「完全にバランスが取れている」とコメントしています。
そして次は時速79キロ。
この速度をクリアできるクルマは非常に少なく、しかし718ボクスターは少し後輪を滑らせつつも大きく姿勢を乱さずにクリアしています。
動画ではここまでのテストしか収録されていないものの、おそらくはまだ高い速度域でもクリアできる可能性は非常に高く、どこまで行けるのかはちょっと気になるところですね。
なお、このテストで注目すべきは「積載できる最大重量にてテストしていること」。
つまりほかのムーステスト動画のように「ドライバーだけが乗っている」わけではないということで、この不利な条件の中でこの数値を出したことは称賛に値すると考えています。
ちなみにですが、このエルクテストについて、かつては「クルマの基本性能や重心、重量バランス」がその結果を大きく左右したものの、最近ではSUVや大型セダン、ホイールベースの短いコンパクトハッチであっても、とくに4WDの場合はその優れた車両制御技術によって驚くべき回避性能を示す場合も。
たとえばメルセデス・ベンツSクラスはボヨンボヨンと大きな車体を揺らしながらもなんと時速76キロをクリアしています。※GRスープラと同じくらいの回避性能
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そして驚かされるのはテスラ・モデル3で、EVという重量的ハンデを背負いながらも、その素晴らしい4輪トルクベクタリングによって「最高クラス」の回避性能を見せており、EVのポテンシャルを見せつけたひとつの例だと言えるかもしれません(EVはガソリン車のように、各コンポーネントのレイアウトの制限がなく、重量物の配置自由度も高い)。
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参考までに、ぼくはポルシェに5台乗っているものの、そのうちの3台がミドシップ(ボクスター2台とケイマン1台)。
911を所有したこともあったものの、正直リアエンジンは(ドライビングスキルの低い)ぼくにとって恐怖そのもので、とうてい自分のコントロール下におけるシロモノではなく、そのためぼくは今でも「ポルシェに乗るならミドシップが一番」だと考えています。
もう一つ参考までに、ぼくはロングノーズを持つFR車もあまり得意ではなく、FFそしてミドシップ(MRでも4WDでもOK)がフィーリング的に自分の間隔にマッチしている、という印象を持っています。
ポルシェ718ボクスターがムーステストに挑戦する動画はこちら
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