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ドナルド・トランプ新大統領の影響がポルシェ、ランボルギーニにも?VWグループがカイエン、マカン、ウルスを「関税回避のため」アメリカで生産することを検討中

ポルシェ

| VWグループはここで販売や利益を落とすわけにはゆかず、長期的目線に立って投資を行い、現地生産を行う必要があるのかも |

非常に難しい判断ではあるが、「GO」以外の道はないだろう

さて、ドナルド・トランプ大統領は「製造業をアメリカに呼び戻す(あるいは誘致する)」ことを目的とし、輸入品に対して高額な関税を課す方針を明らかにしていますが、自動車に関してはカナダ、メキシコ、EUからの輸入が対象となり、25~300%が課税される見込みとなっています。

そこで今回報じられているのが「フォルクスワーゲンが、アメリカでポルシェとアウディの生産を検討している」という話ですが、この両ブランドは現在アメリカに工場を持たず、よって親会社のフォルクスワーゲン・グループ(VW)に主導により、アメリカ・テネシー州のチャタヌーガ工場でポルシェとアウディの生産を開始することを検討している、とされています。

ポルシェは「カイエン」、アウディでは「Q5」の生産を移管か

ちなみにポルシェは過去にも中国での生産を検討したことがあり、しかしその際には「中国市場では、いかに高額であっても”メイド・イン・ジャーマニー”が好まれ、人々は”安価なメイド・イン・チャイナのポルシェを求めているわけではない”という結論から中国生産を行わないという方針を採用することに(ただし、これは昨今の事情を鑑みて変更がなされる可能性も否定できない)。※税制回避を目的として、一部マレーシアでの組み立てが行われている例もある

しかしながら今回ポルシェは中国とは異なる決断を下す(可能性がある)ということになり、そこには「世界的な販売が減少しているという実情」「その中で、ポルシェにとっての最大市場のひとつであるアメリカでの販売を落とすわけにはゆかない」といった要素が絡んだのだと思われますが、これに加えて「メイド・イン・チャイナ」と「メイド・イン USA」では全く意味が異なるという判断が加わったのかもしれません。

ちなみに現在「生産拠点の移転」を検討している筆頭車種は(北米でもっとも売れている)カイエンだといい、北米向けカイエンは現在スロバキアで生産されているため、アメリカ人にとっては「メイド・イン・スロバキア」が「メイド・イン USA」になったところでネガティブなイメージを持たないのだとも考えられます(さらに、911であればまだしも、カイエンの生産地を気にするオーナーそのものがさほどいないと思われる)。

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工場の建設と稼働が「トランプ在任中」に間に合うかどうかはわからない

なお、フォルクスワーゲングループは今でもチャタヌーガに工場を持ち、ここではID.4、アトラス、アトラス・クロススポーツが生産されていますが、ポルシェそしてアウディの生産を行うとなれば新しいラインを建設する必要があり、しかし通常、工場のラインを新設し稼働させるには数年を要するため、もしかすると「工場が完成する頃には」ドナルド・トランプ大統領の任期が終わっている可能性があり、その意味でもフォルクスワーゲンは今回の判断を急がねばならず、近いうちに続報が聞かれるのではないかとも考えています。

そしてこのカイエンのほか、アメリカで生産される可能性があるポルシェとしては「マカン」、アウディだと「Q5」「Q4 E-tron」「Q5 E-tron」(Q4とQ5はID.4と同じプラットフォームを使用している)、A3(アトラスと同じMQB Evoプラットフォームを使用)、さらに驚くべきことに、同じフォルククスワーゲングループに属するランボルギーニではウルス(カイエンと同じプラットフォーム)の生産を北米で行うことが検討されている、と報じられています。

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