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テスラに有利なトランプ政権の誕生により、「バイデン政権下での政策に対応した巨額投資」が無駄になりそうなヒョンデ。それでも「テスラと新大統領が近いのは業界にとっていいことです」

ヒョンデ

| 政権とその戦略によって計画を「180度」修正する必要が生じるのが現代の恐ろしさである |

この環境下では長期的な計画はさほど意味を持たず、「多様性」「柔軟性」がもっとも重要なファクターであろう

さて、ドナルド・トランプ新大統領の誕生目前であり、しかしそれに先駆けてテスラCEO、イーロン・マスク氏がドナルド・トランプ次期大統領内閣の一員としての地位を確立したことが明らかになっていますが、これによって「自動車業界がテスラのいいように操られるのでは」という懸念が生じています。

実際のところ、すでに様々な政策がテスラにとって有利な方向へと働くと見られており、その予測をもとにテスラの株価は急上昇することに。

ドナルド・トランプとテスラとの良好な関係は「自動車業界全体に利益をもたらす」

そこで今回、ヒョンデ北米法人のCEO、ホセ・ムニョス氏が「それが自動車業界全体にとって良いことになる可能性があると考えている」という談話を公開し注目を集めていて、ブルームバーグの報道によれば、ムニョスはテレビ番組によるインタビューの中で「EVメーカーが大統領に近い立場にいることは、アメリカの自動車市場にとって良いことであるはずだ」とコメント。

これはドナルド・トランプ新大統領のチームが、ヒョンデ・アイオニック5や、今後登場予定のアイオニック9のような電気自動車に対する(ジョー・バイデン現大統領が導入した)最大7500ドルの税額控除を廃止しようとしている中での発言であり、その意図に注目が集まっているわけですね。

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テスラCEO、イーロン・マスク氏は、すでに(選挙活動中の支援を通じ)新しい大統領政権に対して一定の影響力を持っており、すでにドナルド・トランプ新大統領のチームは、自動車メーカーがNHTSA(アメリカ道路交通安全局)に報告しなければならない運転支援システムの故障に関する要件を緩和する計画を発表済み。

この動きは、テスラのオートパイロットやフルセルフドライビング技術に何らかの問題が発生した場合、そのネガティブな情報や報道を減少させるものと見られています。

いわばテスラが自動車業界を「私物化」してしまうことが懸念されているのが昨今の状況ではあるものの、それでもホセ・ムニョスCEOは心配していないといい、「むしろ、米国の自動車業界やEV業界に非常に近い立場の人物が(大統領の近くに)いることは、業界にとってプラスだと思います。さらには米国市場が中国の自動車メーカーなどの新興企業から比較的保護される助けになるかもしれません」と述べることに。

現代の自動車メーカの戦略は「政府の方針」に左右される

なお、ヒョンデはバイデン政権が導入したEV購入にかかわる税制控除を受けるためにジョージア州サバンナ近郊に55億ドルの製造施設を建設しており、これによって今までの「韓国生産」から、米国で販売するEVの一部を「米国生産」へとシフトさせる計画を持っていて、これは「税制控除を受けるには、そのEVがアメリカ生産でなくてはならないため」。

したがってヒョンデは巨費を投じてアメリカにEV工場を建設しているわけですが、もしトランプ政権がEV購入に関する税制控除を撤廃すればヒョンデの投資は「無意味」に近いものとなってしまいます。

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それでもホセ・ムニョスCEOは「同社の計画を変更することはないだろうと」述べ、「私たちはインフレ削減法や一般的なインセンティブのために米国に投資したわけではありません。それゆえ、投資して地元化することは良い戦略です。今は4〜5年前よりもむしろ良い立場にあると思います。投資によって、より柔軟性が得られるからです」とも。

こういった感じで、「政権交代や、導入される規制や放棄、補助金によって」すべてが変わってしまうという危険性をはらむのが現在のEVを取り巻く環境ということになりますが、実際にトランプ政権が誕生したのち、想像もしないような混乱が引き起こされることになるのかもしれません。※自動車メーカーにとっては迷惑な話である

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