究極のタイヤ革命。ポルシェ911 GT3の潜在能力を覚醒させるピレリの専用開発タイヤが発表、ミシュランに代わる選択肢に

Image：Pirelli

｜　【異次元の進化】ポルシェ 911 GT3（992型）が覚醒。ピレリが専用開発した究極のP Zeroの秘密とは　｜

この記事のコンテンツ

ポルシェ 911 GT3（992型）はすでに世界最高峰のパフォーマンスを誇るスポーツカーですが、その真の潜在能力は装着される「タイヤ」によって大きく左右されます（どんなに高性能なクルマであっても、タイヤの性能以上では走れない）。

そしてこの”タイヤ”については、コンパウンド、トレッドデザイン、製造プロセスなど関連するタイヤテクノロジーが日々劇的に進歩しているというのが現在の状況です。

さらにその進歩は各タイヤメーカーそれぞれによってその方向性が異なっていて、そのためかこれまで「ランボルギーニとピレリ」「ポルシェとミシュラン」「フェラーリとミシュラン」といった「定番の関係性」が崩れつつあるのも最近の自動車業界における特徴であるとも捉えています。

: ブリジストンがランボルギーニ・ウラカン・ステラート用に開発した初のスーパーカー用オフロード、そしてランフラットタイヤについて語る。両者のコラボはしばらく続きそう

｜　ランボルギーニは「ウラカンSTO」以降、ブリジストン製タイヤを（V10モデルで）選択可能になっている　｜おそらくこのタイヤのコストは「安くない」ランボルギーニ・ウラカン・ステラートは「スーパー ...

続きを見る

そこで今回、タイヤメーカーの雄ピレリがポルシェ911GT3のためだけに「2種類の専用開発タイヤを発表」し、それらは公道での快適性と安心感を保ちつつ、サーキットでは一線を画すグリップと一貫した性能を発揮するための秘密兵器。

ここでは「911 GT3の性能を最大限に引き出すにはどうすればいい？」「専用タイヤで何が変わるのか？」という疑問に対して新型P Zeroの全貌を掘り下げることにより、そのメリットを理解してみたいと思います。

ピレリは992型 911 GT3および911 GT3ツーリングのために、「P Zero」ファミリーの中で2つの異なるキャラクターを持つ bespoke（オーダーメイド）タイヤを開発しています。

公道走行を主眼に置いた「R」バージョンは、幅広い温度域で安定した性能を発揮するため、本格的な走行前にウォームアップを必要としません。

ウェット性能: 濡れた路面でも十分なグリップを提供し、日常的な運転における安心感を保証
前後構造の最適化:
- フロント: ステアリングフィールと精度をシャープにする設計
- リア: 大負荷を管理し、安定性を高める強化構造
特徴: 車のバランスを完璧に保つために、前後で異なる構造が採用されている

Image：Pirelli

モータースポーツ、特にF1への独占供給で培った経験を最大限に活かした「Trofeo RS」は、純粋なサーキット走行を目的としたセミ・スリックタイヤです。

ドライグリップ: より強力なグリップと、ハードな走行時でも一貫したパフォーマンスを提供
コンパウンド: 非常に粘着性の高いコンパウンドを使用しており、ポテンシャルを最大限に発揮するためにはウォームアップが必要
トレードオフ: 究極のドライ性能と引き換えに、ウェットコンディションでのステアリングおよびブレーキング性能は低下し、ハイドロプレーニングのリスクが高まる

Image：Pirelli

GT3の標準タイヤと同じサイズながら、中身が全く異なるピレリ製専用タイヤの諸元は以下の通りです。