中国のクルマ選びに大異変。「初めてクルマを購入する層」がEVへと一斉シフトする衝撃の現実が明らかに

2025/12/11

｜　【常識崩壊】中国の若者が選ぶ「初めてのクルマ」の常識が覆る　｜

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要約：EV購入意向がわずか9ヶ月で倍増の理由とは

初心者の異変: 初めて車を購入する人のうち、47%が今後12ヶ月以内にEVの購入を計画（2024年2月の25%から急増）
市場全体の過半数: 全体の自動車購入意向者でも、52%が次の車はEVと回答（昨年2月の34%から大幅アップ）
ハイブリッドの失速: プラグインハイブリッド（PHEV）や従来のハイブリッド車への関心が急激に低下
圧倒的な価格競争力: EVの価格がガソリン車と同等になり、中国テック大手の先進技術が若者を魅了しているのが要因

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なぜ中国の「最初の車」は電気自動車でなければならなくなったのか？

中国の電気自動車（EV）市場は、単に成長しているだけでなく、ぼくらが処理しきれないほどのスピードで進化を続けています。

次々と登場する新型モデルは世界のトレンドを追うだけでなく、自ら（ぼくらの想定外の）トレンドを生み出し、市場を牽引しており、特に注目すべきは若い層や初めて車を購入する人々の間で起きている劇的な意識の変化。

「最初のマイカーは手頃なガソリン車」という過去の常識は中国ではもはや通用せず、ここでは「なぜ中国の若者はEVを選ぶのか？」「プラグインハイブリッドやガソリン車への関心は本当に薄れているのか？」という疑問を解消すべく、最新の調査結果を基に、この大きなシフトの背景と理由を徹底的に掘り下げてみたいと思います。

詳細：統計が示す、初めての購入者と市場全体の「EVシフト」

まず、ブルームバーグ・インテリジェンスによる最新調査では、中国の自動車購買意欲が驚くほど速く変化していることが明確に。

劇的なEV購入意向の増加（初の購入者）

購買層	2024年2月時点のEV購入意向	最新データ（2025年11月）のEV購入意向	増加率
初めての車の購入者	25%	47%	約2倍
全購入見込み者	34%	52%	約1.5倍

このデータは、わずか9ヶ月ほどの間に、初めて車を買う人のほぼ半数がEVを選択肢に入れているという信じがたい現実を示していますが、「買い替え」含む全体で見ても過半数が次のクルマにEVを想定しており、このトレンドは不可逆的なものになりつつあることもわかります。

ハイブリッドが「時代遅れ」になりつつある現状

EVへの関心が高まる一方、かつて「賢明な中間選択肢」と見なされていたハイブリッドモデルは、急速にその魅力を失っていることも明らかになっており・・・。

プラグインハイブリッド（PHEV）: 2月には23%の検討者がいたのに対し、最新では12%にまで激減
従来のハイブリッド車: 2月の15%から9%へとさらに大きく下落

これは、EVの技術進化と低価格化により、航続距離の不安が解消され、PHEVやハイブリッドが提供する「妥協の価値」が薄れていることを示唆しています。

依然として残る「ガソリン車」の需要

こういった状況にありながら、驚くことに、ガソリンエンジン車（ICE）の需要が完全に消滅したわけではなく、調査対象者の19%が次の車にICEモデルを選ぶと回答しており、これはサンプルサイズが1,000人と小規模なため断定はできませんが、特定の層や用途においては、依然として従来のエンジン車に強い共感とニーズがあることを示しています（地方在住者など、充電インフラに不安を抱えているのかもしれない）。

需要爆発の裏側：価格競争と中国テックの優位性

そこで「中国ではこれほどまでにEVへのシフトが急速に進んだのか」を考えてみたいと思いますが、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジョアンナ・チェン氏はその理由を以下のように分析しています。

理由1：EVとガソリン車の「価格パリティ」達成

中国市場の最も決定的な要因は、バッテリー式電気自動車（BEV）の価格が、すでにガソリン車と価格的に同等（プライス・パリティ）に達している点。

欧米市場がまだこの価格帯に苦戦する中、中国メーカーはスケールメリットとサプライチェーンの内製化により、低価格での高性能EV提供を可能にしています（あるいは、EVに対する国からの補助金によってEVを安価に販売できる環境にある）。

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理由2：先進技術への強い関心とテック大手の参入

中国の消費者は先進的なテクノロジー機能に対して非常に強い関心を持っていて、このトレンドは地元のスタートアップや、ファーウェイ（Huawei Technologies Co.）、シャオミ（Xiaomi Corp.）といった巨大テック企業に大きな優位性をもたらすことに。

これらの企業は、スマートフォンやAI技術で培ったデジタルコックピットや運転支援システムをEVに搭載し、「車輪のついたスマートフォン」として、特にテクノロジーに敏感な若い世代の共感と需要を強力に引きつけており、”EV選好”といった傾向は、クルマを「走る家電」として捉える中国市場ならではの傾向なのかもしれません。

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その他の理由：維持費や取得の容易さ

この他の理由として考えられるのは「維持費の安さ」。

中国は国を挙げてEVの普及を進めていますが、そのためEVとそのオーナーに対しては様々な恩恵を授けており、これがEV購入を後押ししている可能性も。

さらに購入時に「ガソリン車用のナンバープレートを取得するのは困難（抽選に当たらなくては取得できない場合がほとんど）」、そして取得費用も非常に高額になり、しかしEVだと「すんなり」そして安価に取得できるため、こういった事情も「ガソリン車から消費者を遠ざけている（もちろん中国政府がそう誘導している）」一因であるとも思われます。