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VW T-Rocカブリオレが本日から生産開始。現在VW唯一のオープンモデルがT-Rocという件

2019/12/06

| もはやゴルフカブリオレも、ビートルカブリオレも、EOSも存在しない |

フォルクスワーゲンは日本市場において「もっとも小さい(Tさい)クロスオーバー」、T-Cross(ティークロス)を発売したところ。
そして欧州や北米市場に導入されているのが、そのひとつ上の「T-Roc(ティーロック)」。

このT-Rocについては未だ日本導入がなされておらず(もともとは2018年発売と言われていた)、しかしようやく2020年導入予定、とも言われます。
T-Rocには5ドアのほか、画像の「2ドアオープン」が存在し、これは超ニッチ市場向けのクルマだと言えます。
自動車史上「オープンSUV」というのは非常に珍しく、ほかに思い浮かぶのはレンジローバー・イヴォーク・カブリオレ、そして日産ムラーノ・クロスカブリオレくらい。

本来フォルクスワーゲンは「ニッチ」には手を出さない

さらにSUVがそのラインアップの大半を占めるようになり、クーペSUVも揃えるメルセデス・ベンツやBMWですらクーペSUVに手を付けておらず、つまりそれほどのレアモノがオープンSUVということになりますね。

「販売台数」を追求するフォルクスワーゲンが「ニッチ」に手を出してきたことにも驚きですが、もっと驚かされるのは、なんと「現在、フォルクスワーゲンのつくるオープンモデルは、このT-Rocカブリオレしかない」ということ。
かつてフォルクスワーゲンは「ゴルフカブリオレ」「ビートルカブリオレ」「EOS」を持っていたものの、ディーゼル不正事件のアオリを受けてすべて「あんまり売れてないから」という理由にてアッサリと生産中止に。

そういった理由でオープンモデルをバッサリ切ったフォルクスワーゲンが、これまた「そんなに売れそうにない」SUVのオープンを発売してきたというのがにわかに信じられない、というのが偽らざる心境です。

vw-t-roc-cabriolet-2019

フォルクスワーゲンはT-Rocカブリオレを「ニッチ」とは捉えていない?

こういった「ニッチ」なクルマは、それほど台数が売れなくても採算が取れるレンジローバーのようなブランドが、「人とは違うクルマが欲しい」という少数の変わり者に向けて発売するエキゾチックな製品であり、けしてフォルクスワーゲンのような「量販」メーカーが踏み込むべきではない部分。
もしくは、フォルクスワーゲンは「レンジローバー・イヴォークもオープンから撤退したし、今なら市場独り占め。ウヒヒ」と考えたのかもしれず、しかしイヴォーク・コンバーチブルもさほど売れていたわけではなく、となるとフォルクスワーゲンは本気でT-Rocコンバーチブルが「大量に売れる」と踏んだのかも。

それはともかくとして、T-Rocカブリオレが現在フォルクスワーゲン唯一のオープンモデルということに驚かされるワケですが(どうせなら、もっと売れそうなオープンモデルを作るべき)、ついにその生産がスタートし、そして生産されるのはポルシェ718ケイマンが生産されているのと同じオスナブリュック(Osnabrück)工場。

このオスナブリュック工場は「フォルクスワーゲン各ブランド」の生産を行っている工場で、本来はポルシェの生産を行う予定はなかったものの、「新型911(992)が売れすぎて」ポルシェ自社の工場における生産キャパシティが足りなくなり、718ケイマンの生産がこのオスナブリュック工場へと移されたわけですね(2019年8月から)。

新型ポルシェ911の受注は予想の2倍以上。生産設備が足りず、718ケイマンの生産が8月からVWの工場へと移されることになりそう

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ポルシェ自社の工場は2つある

なお現在ポルシェの所有する工場はツェフェンハウゼン、そしてライプツィヒ工場の二つ。

ポルシェ本社所在地、シュトゥットガルトにあるツェッフェンハウゼン工場では911、718ボクスター/718ケイマンといったスポーツカーを生産していて、今後はタイカンもここで生産の予定。
918スパイダーもここで生産されており、つまりポルシェにとって独自設計を持つ、重要度の高いモデルがここで生産されている、と言えますね。

一方旧東独にあるライプツィヒ工場ではマカン、パナメーラ、カイエンが生産中ですが、これらはプラットフォームをフォルクスワーゲングループ内のほかブランドと共有しているモデルの製造を受け持っている、ということになります(ポルシェによる、ライプツィヒ工場の生産プロセス、設備を紹介するコンテンツはこちら)。

T-Rocについては、上述の通り日本だと2020年導入となりそうですが、どのグレードが入ってくるのかは不明です。
本国だとT-Rocに加えてハイパフォーマンスモデルである「T-Roc R」、そして今回の「T-Rocカブリオレ」がラインアップされていますが、日本だと導入モデルが「絞られる」ことにもなりそうですね。

VW T-Roc R発進!ドライビングモードには「Race」が追加、0−100km/h加速はポルシェ718ケイマン以上。SUVの範疇を超えたハイパフォーマンスクロスオーバー

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