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【わずか0.3秒差の逆襲】VWゴルフGTI「50周年記念車」がホンダ・シビック タイプRの記録を破り「ニュル最速FF」の座を9年ぶりに奪還

ニュルブルクリンクを走るフォルクスワーゲン ゴルフGTI「エディション50」〜グリーン

Image:Volkswagen

| 「FFの新型車」が登場しない以上、シビック・タイプRの記録は未来永劫破られることはないと思われたが |

VWゴルフ GTI「エディション50」が昨年の「チャレンジ不発」から一転、記録を更新

FF最速の称号を巡る「ニュルブルクリンク」の戦いについに決着がついたとのニュース。

2023年から王座に君臨していたホンダ「シビック タイプR」を破り、フォルクスワーゲン(VW)の新型「ゴルフGTI Edition 50」が新たなフロント・ホイール・ドライブ(FF)最速記録を樹立したという公式アナウンスが出され、ちょっとした盛り上がりを見せています。

なお、ゴルフ誕生50周年を祝うこのアニバーサリーモデルは、昨年の挑戦では(シビック タイプRに)一歩及ばなかったものの(下の動画はその時のもの)、執念の改良を経てついに宿敵を撃破。わずか0.358秒という、モータースポーツの過酷さを物語る僅差で歴史を塗り替えたというわけですね。

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この記事の要約

  • 王座奪還: ゴルフGTI Edition 50が7分44秒523を記録し、FF最速の称号をVWとして9年ぶりに奪還
  • 薄氷の勝利: ホンダ・シビック タイプRの記録をわずか0.358秒更新する超接戦
  • 史上最強パワー: GTI史上最高の321馬力を発揮。4WDの「ゴルフR」に迫るスペック
  • 勝因は足回り: 専用の鍛造ホイールやセミスリックタイヤを含む「パフォーマンス・パック」が鍵

詳細

今回の記録更新はVWにとって非常に大きな意味を持っており、というのもVWは2016年に「ゴルフGTI クラブスポーツS」で記録を保持していたものの、2017年以降はホンダやルノーにその座を譲り続けてきたという経緯があって、そして今回は実に「9年ぶり」の王座奪還ということに。

そして現在各自動車メーカーが「準ガソリン」FF車の製造からどんどん撤退し、そして今後は「ハイブリッド」あるいは「BEV」へと移行してゆくことを考慮すると、今回の記録は(ホンダが更新に挑まない限り)未来永劫安泰なのかもしれません。※ハイブリッドではこの記録を破ることは難しく、BEVでも同様で、さらにBEVだと基本的にFFレイアウトがほぼ消滅するものと思われる

ニュルブルクリンクを走るフォルクスワーゲン ゴルフGTI「エディション50」〜グリーン

Image:Volkswagen


VWゴルフGTI エディション50:車種概要

今回の「Edition 50」は単なる記念モデルではなく、昨年の公式タイム(7分46秒13)からさらにコンマ数秒を削り出すために、VWのエンジニアと開発ドライバーのベニー・ロイヒター氏がニュルの複雑な路面変化(バンプやジャンプ)に対するマシンの挙動を徹底的に磨き上げ、ついにシビックが持っていた「7分44秒881」という高い壁を突破することに成功した「執念の結果」。※そこまでしないとシビック・タイプRに勝てないという事実をも同時に示している。さらにシビック タイプRは”不利な”MT車でもある

1. GTI史上、最高出力の2.0Lターボ

ゴルフGTI エディション50の心臓部には最高出力321hp(325PS)を発揮する2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。

これは欧州仕様の標準的なGTI(262hp)を大きく上回り、4輪駆動モデルである「ゴルフR(329hp)」に肉薄するパワーをFFシャシーに詰め込んでいる、ということに。

2. 「パフォーマンス・パック」がもたらす軽量化と剛性

今回の記録達成に不可欠だったのが新しくオプション設定された「GTIパフォーマンス・パック」ですが、その内容を見るに、「あまりに本気すぎる」ニュルブルクリンク”アタック”専用オプションという感じですね。

  • 軽量化: 鍛造19インチホイールの採用や装備の見直しにより車重を30kg軽量化
  • 空力と重心: 車高をさらに5mm下げ、ネガティブキャンバーを拡大することでコーナリング性能を追求
  • 武装: ブリヂストン製ポテンザ・レース(セミスリックタイヤ)とアクラポビッチ製チタンエキゾーストを装備
フォルクスワーゲン ゴルフGTI「エディション50」のフロント〜初代ゴルフGTIと

Image:Volkswagen

3. スペック詳細

項目ゴルフGTI Edition 50 (Performance Pack装着車)
ニュル記録7分44秒523 (シビック タイプRより-0.358秒)
エンジン2.0L 直列4気筒 ターボ
最高出力321 hp (325 PS)
最大トルク420 Nm (310 lb-ft)
駆動方式前輪駆動 (FF)
主な装備鍛造ホイール、セミスリックタイヤ、アクラポビッチ製マフラー

競合比較と市場でのポジショニング

今回の記録更新により、FFスポーツカーの勢力図が再び塗り替えられることとなり・・・。

  • vs ホンダ・シビック タイプR (FL5):シビックは空力性能と安定性で高い評価を得ていたが、ゴルフGTI Edition 50は「軽量化」と「路面追従性」でこれを上回る
  • 市場での価値:ゴルフGTIは本来、日常の使い勝手とスポーツ走行を両立するモデルではあるものの、このEdition 50は限りなく「レーシングスペック」に近い存在で、次世代ゴルフのEVシフトが予想される中、純粋な内燃機関(ICE)を搭載した「究極のGTI」として、歴史的なコレクターズアイテムになることが予想される


結論

ゴルフ誕生50周年という節目に、VWは「FF最速」という最高のプレゼントを自ら勝ち取りったというのが今回の挑戦の結果であり、ホンダとの「0.3秒」を巡る争いはスペック表の数値だけでは語れない、エンジニアたちの情熱と執念の結果でもあります。

シビック タイプRという強大なライバルがいるからこそ、ゴルフもここまで進化できたのだとも考えられ、この記録をホンダがどう塗り替えてくるのか、あるいはルノーが参戦するのか。FFホットハッチ「ガソリン最後の世代」による頂上決戦は、これからも目が離せない、といったところです。


なぜFF車でも「ニュル」にこだわるのか?

通常、ニュルブルクリンクへのアタックだと4WDやFR(あるいはMR、RR)の方が有利とされ、さらに高出力になればなるほどFF(前輪駆動)は運転が難しく(不安定に)なる傾向にあります。

その反面、FFは構造がシンプルで軽量であるという利点があり、限られたトラクションの中でいかにパワーを路面に伝え、複雑なコーナーを攻略するか。

FF最速の称号は、そのメーカーの「シャシーセッティング能力」が世界最高であることを証明する、最も過酷で栄誉あるバッジというわけですね。

ホンダ・シビック・タイプRのホイール

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参照:Volkswagen

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