| フォルクスワーゲンにとって、スポーツカーを発売するチャンスは今しかない |
フォルクスワーゲンがピュアエレクトリックスポーツ、そしてピュアエレクトリックロードスターを発売するのでは、というウワサ。
これは英国Autocarが報じたものですが、「すでにスタディとしてデザインが作製されたものの再現」「ID.3に採用されるMEBプラットフォームを採用する」とのこと。
なお、画像は2009年に発表されたコンセプトカー「ブルースポーツ・コンセプト」ですが、これが10年以上の時を経てショールームに並ぶということになりそうです。
エレクトリックカーはバリエーション展開が容易
なお、フォルクスワーゲンが今まで作ってこなかった「スポーツカー」を今ここで作ることについては、「今までできなかったっことが、ピュアエレクトリックカー用のプラットフォームを得ることでできるようになった」からだと思われます。
どういうことかというと、例えばガソリンエンジン用のプラットフォームにてミドシップスポーツカーを作ろうとすると、「後ろにエンジンを積む」専用プラットフォームを設計する必要があるわけですね。
一般にガソリン車のプラットフォームは「特定のエンジン搭載位置や駆動方式、座席位置を想定して」設計されることになり、これを変更(フロントエンジンからミドシップへ、という具合に)するのは非常に困難。
こちらはゴルフに採用されるMQBですが、フロントエンジン/フロントドライブを想定しているので、これを後輪駆動にしたり、リアエンジンにしたり、という構造変更はまず不可能。
しかしながらEVだとこういった感じ(画像はフォルクスワーゲンのMEB)のプラットフォームを採用することになるので、駆動輪やシートレイアウトはプラットフォームの構造的制約を受けず、モーターがフロントに一個(前輪駆動)だろうがリアに一個(後輪駆動)だろうが前後に一個づつ(4WD)だろうがまさに自由。
加えてボディ上モノも自由に変更できるので、2シーターでも4シーターでも7シーターでもオープンでもセダンでもハッチバックでも問題ナシ。
新型VW製スポーツカーは新機構を採用
そして今回Autocarが報じたところでは、この新型スポーツカーについて、トップレンジは「2モーター採用の4WD」。
さらにはパフォーマンス志向の新型バッテリーを採用すること、パイクスピークやニュルブルクリンクでの記録を持つレーシングカーID.R譲りの「セル・トゥ・パック」アーキテクチャを用いること、新型テスラ・ロードスターにも対抗しうるスペックを持つ可能性があることについても触れています。
加えて、ベースモデルは次期ポルシェ718ケイマン/ボクスターとの兄弟車となる可能性についても言及しており、こちらのほうはかなり現実味を帯びた話です。
というのも次期718ケイマン/ボクスターはピュアエレクトリックスポーツとして生まれ変わるという話が出ており、しかしタイカンが採用するJ1プラットフォームをこれに使用するのは難しいとも言われているため。
ポルシェとしても現行モデルからまったく新しい「ピュアエレクトリック」へと718ケイマン/ボクスターを移行させるのにはコストが掛かり、そのコストをフォルクスワーゲンと按分できるのは実にありがたいところ。
フォルクスワーゲンとしても「念願の」スポーツカーを低コストで、かつ低リスクで発売できるチャンスでもあり、「ポルシェとの共同開発」という箔もつくとなれば、この機会に乗じない手はないのかもしれません。
ポルシェが今後のエレクトリック計画について情報公開。カイエンや718のピュアEV化を行う可能性を示す反面、「万一EVが売れなかったとき」を考え、マカンEVに加えて現行マカンも併売