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VWがEVシリーズの頂点に君臨するセダン「ID.7」を正式発表!ただしインパクトが薄くパサートやアルテオン、フェートンのように「やがて消え去る」運命にあると予測

VWがEVシリーズの頂点に君臨するセダン「ID.7」を正式発表!ただしインパクトが薄くパサートやアルテオン、フェートンのように「やがて消え去る」運命にあると予測

| いいクルマなのは理解できるが、フォルクスワーゲンのセダンはどうにも「弱い」 |

VWがもそれをわかっているからなのか、とことん乗り心地や内装の装備を強化してきたようだ

とにかくEV一辺倒となっている上海モーターショーですが、フォルクスワーゲンはこの場で新型のミッドサイズエレクトリックセダン「ID.7」を公開。※中国市場専売ではなく、ワールドワイドにて販売される

このID.7は同社のEVシリーズ「ID」におけるフラッグシップであり、モジュラーエレクトリックドライブ(MEB)プラットフォームを採用する6番目のVW、そして主要市場にとっては5年前に発売された現行ジェッタ以来の新型セダンです(SUVは毎年何台も発売されているような気がするが、セダンはやはり後回しになっていたようだ)。

ただ、中国では比較的セダンの人気が高く(それは中国の進行EVメーカーがセダンを発売していることからもわかると思う)、そしてフォルクスワーゲンも意図的に(中国市場へとアピールするため)このID.7の発表の場として上海モーターショーを選んだものと考えられます。

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新型フォルクスワーゲンID.7は「もっともパワフルなID.7」

この新型VW ID.7につき、見た目こそはかなり地味ですが、IDラインアップの中では最もパワフルなエレクトリックモーターを持っており、リアに搭載されるのは282PSを発生するエレクトリックモーターと2段ギアボックス(ポルシェ・タイカンから技術的フィードバックを得たものかもしれない)。

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このモーターからより大きなパワーを生み出すため、VWはより強力な永久磁石を持つローターを使用し、さらにはステーターを再設計し、新しい冷却システム(水冷+油冷)を採用することで安定した性能を追求していますが、現時点では(フォルクスワーゲンにしては珍しく)デュアルモーター仕様についてアナウンスされていない状態です(しかしながら、後日に追加されるものと思われる)。

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ID.7には新しいDCCアダプティブ・ダンピング・システムが採用され、これは快適な乗り心地を実現するといい、ドライバーはエコ、コンフォート、スポーツ、インディビジュアルの各モードからダンピングを選択可能。

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さらにはほかのID.シリーズ同様に、バッテリーをフロアに配置することで低重心を実現しており、リアアクスルに採用された高減衰エラスト・キネマティック・マウントが「ステアリング操作に対する高い応答性」を実現する、とアナウンスされています。

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新型ID.7には2種類のバッテリーサイズが用意され、小さい方は使用可能容量が77kWh、そして大きなほうは86kWhという容量を持ち、しかし国や地域によっては「ラージサイズのバッテリー」は提供されないことも明かされています。

参考までに、大型バッテリーの場合、ID.7の航続距離はWLTPサイクルで700キロ、小型バッテリーの場合は615キロだとされ、この高い効率性を実現する理由のひとつは、ドラッグ係数が約0.23というID.7「空力ボディ」にある、とのこと。

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なお、ボディサイズとしてはパサートに近く、全長・全幅・全高ともにパサートよりも「ちょっと大きい」程度となっていますが、パサートと異なるのは「ハッチバック」であることで、つまりは3ボックスではなく2ボックスということになりますね。

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フロントにはLEDライトバーが備わり・・・。

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リアにもLEDライトバーが与えられるなどID.シリーズとして共通の意匠を持っています。

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正直言うと、あまり記憶に残るようなデザインではなく、そしてこのクルマを購入する客層を明確にイメージできず、パサート、アルテオン、フェートンなどフォルクスワーゲンのほかの(ミッドサイズ以上の)セダン同様に、やがては消え去ってしまう運命にあるんじゃないかと(販売開始前ではありますが)推測しています。

新型フォルクスワーゲンID.7のインテリアはこうなっている

そしてこちらは新型フォルクスワーゲンID.7のインテリア。

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非常に先進的な作りをもっており、物理的な操作系がほとんどなく、ダッシュボードも水平基調のすっきりとしたデザインを持っていますが、EV専用設計ということでホイールベースが長く、そのために後部座席がかなり広く取られているもよう(このあたりは中国市場に強く訴求できそうだ)。

メーターはアナログではなくフルデジタル、そしてVWによれば、ARヘッドアップディスプレイが標準装備されている、とのこと。

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中央の15インチタッチスクリーン式インフォテイメントディスプレイには、まったく新しいメニュー構造が採用されており、これはエルゴノミクスに不満が寄せられていたことに対するフォルクスワーゲンの回答なのかもしれません。

なお、ID.7のスクリーンにはベンチレーションシステムとシートのヒーティング/ベンチレーション/マッサージの設定が常時表示されるそうですが、こういったところを見ると、このID.7が快適志向に振られたクルマであるということがわかりますね。

そのほか10色のアンビエントライティングシステム、14スピーカー構成を持つハーマンカードン製サウンドシステムなどが、標準装備もしくはオプションで用意されている、とのこと。

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参考までに、このフロントシートは部位ごとにヒーターやベンチレーションの強さを調整することができるうえ、ボルスター(サイドサポート)も加熱・冷却が可能であり、マッサージ機能付きのエルゴアクティブシートには、空気圧によるツボ押しマッサージができる10個のエアクッションが用意されているもよう。

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さらには換気システムにも快適性を向上させるための技術が詰め込まれており、たとえば小さなモーターを備えたスマートエアベント(吹き出し口)は、インタラクティブに開閉し、キャビン内の空気をより効率よく分散させることを可能にすると紹介されており、中国やアメリカ市場で重視されるという「シート」「エアコン」に力を入れてきた”戦略車”だといえるかもしれません。

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