| ポルシェオーナーはID. Buzzを購入してレンディーンスト仕様にするのも悪くない |
残念ながらこれはポルシェの75周年記念事業の一環であり販売の予定はない
さて、まさかの(現代における)ポルシェとフォルクスワーゲンとのコラボレーションが実現し、フォルクスワーゲンのフルエレクトリックミニバン、ID Buzzがポルシェ仕様へと変身を遂げることに。
なお、現在ポルシェはフォルクスワーゲングループに属していますが、創業の経緯やその後の活動においても両者は密接に結びついていて、今回のコラボは「起こるべくして起きた」必然なのかもしれません。
ちなみにですが、VW,はこのID. Buzzのプロモーションに大きく注力しており、「ナイキとのコラボ」「スター・ウォーズとのコラボ」などいくつかの魅力的なコラボモデルが作られていますね。
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ポルシェとフォルクスワーゲンは(ビジネス以外でも)切っても切り離せない関係にある
なお、ポルシェとフォルクスワーゲンは「事業としての」強い結びつきを持ちつづけてきたことが知られていますが、しかしそれ以外の面においても積極的に協力関係を築いています。
たとえば、ポルシェはモータースポーツのサポート用としてフォルクスワーゲンのバン(ワーゲンバス)を活用しており、これは「Renndienst(レンディーンスト=レースサービスの意)」と呼ばれます。
このレンディーンストは1954年のミッレミリアでサポート用に使用されたフォルクスワーゲン・バスをルーツに持っており、1950年代から1970年代にかけ、ポルシェは904、908、910、917といった重要なレーシングカーの輸送にフォルクスワーゲン製のバンを使用してきたわけですね。
そしてときにはレーシングチームが臨時のホテルとして使用したこともあるといい、さらにはドライバーをサーキットまで送迎するなど、なにかと重宝したと言われます。
ちなみにですが、ポルシェはかつて「B32」というミニバンを生産したことがあって、1983年から1985年にかけ15台が作られたうち、数台が一般向けに販売されたと言われます。
これは見ての通りヴァナゴン(T3)なのですが、なんと911カレラSから流用したフラットシックス3.2リッターエンジン(231馬力)を搭載し、0-100kmを約6秒で駆け抜け、最高速度は時速290kmに達するという、現代の(ミニバンの)基準からしてもとんでもなく速いシロモノ。
ただ、この速さは「必然」であったといい、それはこのクルマがパリ・ダカール・ラリーに参戦するポルシェ959のサポートカーであったから。
ノーマルのヴァナゴンでは959のペースについて行けず、サポートカーの役割を果たせないという理由からこの「超速」バンがポルシェによって作られたという経緯があって、よく見るとフックスホイールを装着するなど「ポルシェらしい」一面も。
さらに車台番号はポルシェのものが刻印されており、法的にも「ポルシェ」として分類されるという、ある意味では「世界でもっともレアなポルシェ」のひとつだと捉えていいかもしれません。
現代版フォルクスワーゲン「レンディーンスト」はこんなクルマ
そして今回公開されたのが現代版「レンディーンスト」。
これはポルシェの75周年記念事業の一環として制作されたワンオフモデルで、ひとまずはオランダの8つのディーラーで展示される予定だとアナウンスされています。
なお、ポルシェはかつてのレンディーンストの再来として「ヴィジョン レンディーンスト(コンセプト)」を発表したことがありますが、今回もまた過去のレンディーンストを再現することとなっており、ポルシェとしてはよほど「レンディーンストが大好き」ということなのかも。
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ボディサイドには大きく「PORSCHE」「RENNDIENST」の文字が踊り、元祖レンディーンストを知る人が見れば一瞬でこのクルマが何を表現しているのかを悟ることができそうです。
そう考えると、もしこのID. Buzzが日本に導入されることになれば、ポルシェのスポーツカーオーナーはこのID. Buzzを購入し、自身のポルシェとマッチした仕様にカスタムした上で「RENNDIENST」という文字を入れたくなってしまうのかも(ぼくだったらそうする)。
そしてこちらは現代版レンディーンスト(ID. Buzz)とのペアとなるタイカン”レンディーンスト”。
こちらもID.Buzzとシンクロするカラーリング、グラフィックを持っています。
今回、このフォルクスワーゲンID. Buzz レンディーンストの運動性能が(かつてのB32同様)向上しているのかどうかはアナウンスされていませんが、フォルクスワーゲンは「デュアルモーター搭載、ハイパフォーマンス版」ID. Buzzの投入を計画しており、こちらは300馬力を誇ることになるだろう、と言われています。
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参照:Porsche