| この外観に対する評価は分かれるだろうが、その発想のユニークさは認めざるを得ない |
このカロッツェリアが復活していたら、それはそれで面白いことになっていたであろう
さて、とんでもないルックスのアルファロメオがオークションへと登場予定。
このアルファロメオは(一見すると個人がガレージにて作ったクルマのようにも見えますが)イタリアのコーチビルダー、カロッツェリア・カスターニャによるワンオフモデルであり、1995年のジュネーブモーターショーにも展示されたことがあるのだそう。
なお、このカロッツェリア・カスターニャは1849年から1954年にかけて活動していた名門とのことで、1994年にはウベルト・ピエトラなる人物がこれを復活させようと試み、建築家であるジョアキーノ・アカンポーラへとデザインを依頼して作ったのがこの「アルファロメオ・カスターニャ・ヴィットリア」。
カスターニャ・ヴィットリアのベースはアルファロメオ75
このアルファロメオ・カスターニャ・ヴィットリアのベースはアルファロメオ75だそうですが、そのスタイルはアルファロメオ75とは全く異なるもので、完全に刷新されたボディワークを特徴としています。
ボディタイプは2ドアクーペということになりますが、長いフロント オーバーハング、それに対して短いホイールベース、空力的に優れるであろうクーペ スタイルのルーフライン、コーダトロンカ風のロングテールなどが視覚的なハイライト。
ちなみにこのリアのウインドウ形状はちょっとザガート的。
ヘッドライトはオペル・カリブラから移植し、フロントのスクデット・グリルは斬新な解釈によってボディ一体型に(格好良いかどうかは別として、この発想は素晴らしいと思う)。
搭載されるエンジンは255馬力を発生する3リッターV6(ベースモデルから少しパワーアップしている)、トランスミッションは5速マニュアル、そして駆動輪は後輪のみ。
足回りにはコニ製のショックアブソーバーとスプリングが組み込まれ、ブレーキシステムはブレンボ製にアップグレードされている、とのこと。
出品者によると「メカニズム的には良好」だそうで、走行距離はわずか2,500キロにとどまると説明されています。
アルファロメオ・カスターニャ・ヴィットリアのインテリアはこうなっている
このアルファロメオ・カスターニャ・ヴィットリアのエクステリアにも驚かされますが、インテリアもまた驚くべき仕様を持っており、ちょっと他に例を見ない「グリーン」ベース。
それに組み合わせられるのはウッドという、なんともゴージャスかつエキゾチックな組み合わせですね。
なお、オークション開催元によると予想落札価格は最高で135,000ポンド(現在の為替レートにて約2500円)という驚きのエスティメイトが出されており、「1台しか作られなかった」という希少性が評価されているのだと思われます(結局、新生カロッツェリア・カスターニャはこれを量産することはなく、この1台を製造したのみで再び活動を休止している)。
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