| ポルシェから”馬”が登場 |
ポルシェは先日「ミッションE」の市販モデル名を「Taycan」とする、と発表。
この「Taycan」についてはユーラシア由来の馬に関する名称だということ以外はほぼ不明で、読みも「タイカン」なのか「テイカン」なのかという論争がネット上で発生することに(英語圏ですら)。
なお、日本のメディアは「テイカン」と表記するところが多く、よってこれは「ポルシェ・ジャパンからなんらかの通知があったのだろう」と考えていたものの、今回ポルシェが動画を公開し、「Taycan」の発音は「タイカン」であるとし、論争に終止符を打っています。
※ポルシェ・ジャパンもこの読みを「タイカン」と発表(プレスリリースはこちら)。
気になるのはポルシェ・タイカンの充電方法
なお、ポルシェは「ポルシェのクルマに採用されるネーミングは、そのクルマの特徴と具体的な繋がりがある(ボクスター=ボクサーエンジン+ロードスター)」としており、そしてタイカンについては「生気あふれる若馬」としているものの、Taycanが何語なのか、造語なのかどうかも不明。
今回、タイカンについていくつかの情報も公開されていますが、いまのところ明らかになっているのは下記の通りです。
・0-100キロ加速は3.5秒
・0-200キロ加速は12秒以下
・航続距離は500キロ以上
・バッテリーは800V(ボルト)
・4分で100キロ走行分をチャージ可能
ポルシェ・タイカンの目玉の一つは「バッテリー技術」で、4分で100キロ走行分、15分でバッテリーの80%程度を充電できるとされる充電システム。
現在すでに設置を進めていることが報じられていますが、この充電器を使用するのは「有料」。
おそらくは家庭用200Vコンセントからも充電できると思われ、この「専用充電器でしか充電できない」ということはないと思われるものの、ポルシェとしては電気自動車を普及させることで「充電」を新たなビジネスに育てたいと考えているわけですね(ガソリン車だと”石油メーカー/石油小売”に渡っていた利益を、EVでは自社で取り込む)。
この充電器についてはポルシェが主体となって開発しており、しかしポルシェのクルマのみしか使用できないのであれば「(台数が伸びないので)利益を最大化」するのは難しく、よってポルシェはメルセデス・ベンツ、BMW、フォード、アウディとも手を組んで将来的にそれらメーカーから発売されるEVにこの「ポルシェの充電規格(以前はターボチャージングという名称だったが現在は不明)」を使用させ、EVの充電規格において「覇権」を握ろうとしているようです。
もちろんポルシェ方式を採用することでポルシェにはパテント料などが転がり込むことになりそうですが、これを採用する自動車メーカーにも「甘い汁」を吸わせる構造となっていると思われ、「自動車販売以外」にもEVは大きなビジネスチャンスを秘めている、と言えそう。
なお、「有料」といえどもガソリン車同様のランニングコストになっては「誰もタイカンを買わない」ということになり、よってそれなりに「納得できる」価格設定にはなりそうですね。
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ポルシェの「馬」はフェラーリの「馬」と一緒
ポルシェのエンブレム中央にある「馬」はフェラーリのエンブレムに採用される「馬」と同じ。
この、ポルシェエンブレムに採用されている「馬」はポルシェ発祥の地、シュトゥットガルト市の紋章に用いられているものである、ということは正式な記録として残っていますね。
そしてなぜドイツ地方都市の紋章がフェラーリのエンブレム「跳ね馬(カヴァリーノ・ランパンテ)」になったのかということですが、もともと第一次大戦中のイタリア空軍エースパイロット、フランチェスカ・バッカラ伯爵(1918年に戦死)がその愛機に「パーソナルマーク」として用いていたものが起源であると語られています。
そしてイタリア人パイロットが敵国ドイツの紋章を用いていた理由は「敵機を撃墜した際、その機体についていた紋章を頂いた」という説が有力(諸説ある)。
さらに時は流れて1923年、ラヴェンナで行われたレース(チルキット・デル・サヴィオ)にドライバーとして出場していたエンツォ・フェラーリの果敢な走りを見ていたバッカラ伯爵の母(このときバラッカ伯爵はすでに戦死)、パオリーナ夫人がエンツォの勇姿に息子の面影を見たとしてエンツォ・フェラーリに「ぜひ息子の愛用していたシンボル(跳ね馬)を使って欲しい」と申し出て、それをエンツォが(その馬のパーソナルマークを)受け入れた、とされています。
現在ではフェラーリのエンブレムに採用される「馬」のほうがあまりに有名で、ポルシェのエンブレムの中央に馬があるということはほぼ知られていないという事実があり、そのため「ポルシェから馬をイメージしたクルマを発売」と言われると「えっ?」となってしまいますよね。