| 珍しいフェラーリのラリーカーが競売に |
ラリーカーへとコンバートされたフェラーリ308GTBが競売に登場。
1978年から1985年の間に15台が製造されたそうですが、この個体は1983年に「Pro Motorsport」チームへとデリバリーされたもの。
エンジンは3リッターV8で、もちろんチューニングされて300馬力を発生。
ボディパネルはレース用に軽量なものへと変更され、内装の軽量化とあわせて「標準モデルに比べて40キロ軽量」だとされています。
このフェラーリ308GTBは10のレースで勝利を記録
シャシーナンバーは「18869」で、デリバリーされた1983年には5つのレースに勝利し、翌年にもさらに5つの勝利を記録(スパニッシュ・ラリー・チャンピオンシップのタイトルも獲得)。
フェラーリとラリーというとあまり関係性がないようにも思えますが、「元祖スペチアーレ」とも言える「288GTO」はもともとグループBラリーのホモロゲーション取得のために造られたクルマ(1984年発表、生産は272台)。
288GTOのエンジンは2.8リッターで、エンジン搭載方法も横置きから縦置きとなるなど大きな変更が加えられています。
ただ、この288GTOは、当時大きな人気を博していたグループBへの参戦を前提としていたにもかかわらず、ライバルたちに比べて戦闘力が低く(なんせ他メーカーのマシンは変態揃いだった)、実際には参戦を考えておらず「フェラーリによるポーズ」だったともされています(それほどグループBは無視できないレベルだった)。
その後グループB自体はマシンの過激化、そしてもはや扱えないレベルに達したマシンが事故を起こしたことに起因して「廃止」となり、フェラーリ288GTOはグループBには参戦することなく終ることに。
なお、ミケロットが288GTOの戦闘力を高めた「288GTOエボルツィオーネ」を制作しており、こちらの走行データはF40へと生かされたと言われ、そして今回出品される308GTBをラリーカーへとコンバートしたのもミケロット。
つまりこの308GTBはある意味では「288GTO、F40へとつながる」血脈を持っていると言ってもよく、そのため今回のオークションにおいても最高で1億3000万円ほどの高値がつくだろう、と予想されているようですね。
ドアミラーはビタローニ?
ラリーカーという性質上か、振動に備えた補強がなされることに。
給油口はこんな位置に(はじめて知った)。