まさかの公的出版物(ビデオ)に収録されていた
ここ最近、日本において頻繁に「速度違反最高記録」が塗り替えられており、ダッジ・チャレンジャーの時速235キロ、トライアンフ・デイトナ675SEの時速237キロ、そして最近だと日産GT-Rの時速280キロが記憶にあたらしいところ。
そしてこういったニュースが出るたびに語られるのが「昔発売されたビデオの中で、フェラーリで時速300キロ位上出してたヤツがあったよな」という話。
当時はこれが発売できたという事実
そして今回、海外のRedditユーザーが掲示板にアップしたのが当時のビデオに収録されていた一部をリッピングした動画で、その名も「Ferrari F40 driving 200 MPH (320KMH) on a Japanese Highway」。
この動画はもともと笠倉出版社(クルマ購入ガイドの出版元として知られる)が発売したビデオ「320km激走!フェラーリF40」というビデオに収録されていたものですが、これは日本の常磐自動車道を文字通りフェラーリF40で走行しているもの。
当然ながら違法行為なので警察はこのビデオ発売後、ビデオに映っているクルマのナンバーの持ち主に聞き込みを行ったり、画像解析を行うことで速度を特定し、この車両の持ち主である切替徹氏を逮捕した、とされています。
逮捕後の処分などは不明ではあるものの、明確に「逮捕」と(Wikipediaですが)記載されているので、これが日本における真の「最高速度違反記録」と考えて良さそう。
なお、切替徹氏はフェラーリ専門の車両販売、整備、パーツ販売を行う「レーシングサービス・ディノ」の代表とされますが、現在でも同職に就いているかどうかは不明(高齢ですし、レーシングサービス・ディノのサイトにも代表者の記載はない)。
ちなみに当時は動画解析技術がさほど高くなく、否認することで逮捕を免れたのではという話もあり、しかし押切徹氏は「その速度が出ていないと主張すればフェラーリの名誉を貶める」と考えて事実を認めて潔く逮捕された、と報道されています。
フェラーリF40はこんなクルマ
なお、フェラーリF40はフェラーリ40周年を記念して1987年に発売されたクルマ。
日本はバブル真っ只中というご時世で、日本からのオーダーも相当にあったとされますが、世界的に高い人気を誇ったのは間違いなく、殺到する受注をさばくために予定の3倍ほどにあたる1311台を生産しています(フェラーリのスペシャルモデルの中ではもっとも生産台数が多く、販売を目的に増産を決めたのはこのF40のみ)。
内装はなくレーシングカー同様の作りを持っており(F50までは同様だった)、そのうえボディカラーは「レッドしか作られなかった」とも言われる、現在のフェラーリからは想像もできないようなクルマです。
同時期に発売されたスーパーカーとしては「ポルシェ959」があり、これらは性能が逼迫するも、加速においてはトルクスプリット4WDを持つポルシェ959、トップスピードにおいてはフェラーリF40のほうが勝っていた、と言われます。
https://intensive911.com/?p=36055
なお、フェラーリF40は市販車としてははじめて時速200マイル(320km)を突破したクルマとして知られ、切替徹氏としては、それを疑う人々を黙らせるためにこのチャレンジを行ったのかもしれませんね。