｜ ワンオフモデルは「フェラーリ」よりも「個人色」が前面に出過ぎている？ ｜
2018年9月に売りに出され、2019年1月には競売にもかけられたフェラーリのワンオフモデル「SP30」が改めて販売中。
今回売りに出したのてテキサスのエキゾチックカーディーラーですが、もともと2018年に売りに出されたのもテキサス、そして2度目は場所を変えてパリ（RMサザビーズの開催するオークション）。
それでも売れずに今回またテキサスで販売されているということになりますが、もしかすると販売価格、そして最低落札価格が相当に高いのかもしれません。
加えて、「世界に1台のフェラーリなのに売れない」理由としては、この希少性が「フェラーリ主体の限定モデル」としてのものではなく、個人がフェラーリにオーダーして作られたワンオフモデル、ということにもありそう（個人的な志向が、フェラーリの意向よりも強く反映されている意味において、フェラーリコレクターの心を動かさないのかも）。
はじめて納車されたのは2012年、UAEにて
SP30はワンオフにて製作された「5台目の」フェラーリで、2012年にUAEのCheerag Arya氏 のもとへと納車されたものである、と紹介されています。
外装はメタリックレッドとブラック、そしてインテリアはグレーとレッドをメインに構成されていますが、インテリアはほかのワンオフモデルにはあまり見られないカラーリングですね。
ベースは599GTBとなり、エンジンも6リッターV12/600馬力と599GTBのスペックそのまま（ただしエンジンルーム内には「SP30」のバッジつき）。
ただしボディはほぼ全てが専用にデザインし直され、599GTO、そして599XXのパーツも装着されるなど、特別感の強い仕上がりとなっています。
テールだと、フェラーリには珍しい「センター4本出し」テールパイプが特徴的。
リアのプランシングホース（跳ね馬）はブラック、そして”フローティング”。
フロントのデザインは812スーパーファストやカリフォルニア、ポルトフィーノを連想させるもの。
とくにフロントフェンダーのサイドはポルトフィーノに用いられるデザインを連想させ、この車両が作られた2012年には、すでにフェラーリは「このデザイン」を構想として持っており、ワンオフモデルに投入していたということもわかります（そして、その後ポルトフィーノに反映される）。
そう考えると、フェラーリのワンオフモデルはある意味で「実験的モデル」というかデザイン的チャレンジの意味合いも持っているように思われ、ここで投入されたデザインが後の市販モデルに反映されるという傾向も見られるようですね。
ちょっと奇妙なのは「ホイール」で、横から見ると前後でそのデザイン（向き）が「反対」。
もしかするとですが、左右でホイールのデザインが対称となっていて、前後どちらかのホイールを整備かなにかのときに一旦外し、再度装着するときに「左右が逆」になってしまったのかも（しかしタイヤには方向性があり装着時に確認を行うはずなので、プロの仕事としてそれはちょっと考えにくい）。
このフェラーリSP30の走行距離は105キロを刻むにとどまり、これは昨年販売時に比べると「＋2km」となっていて、おそらくは移動のために加算されたものだと思われます（インフォテイメントシステムのモニターには、まだ保護シートが貼られたままになっている）。
フェラーリSP30のインテリアはこうなっている
インテリアは比較的珍しいグレーの濃淡を使用したアルカンタラ。
ヘッドレストにはプランシングホース、シートバックには「30」の文字が入ります。
ダッシュボードやバルクヘッドもやはりグレーのアルカンタラ。
フェラーリが31回めのF1タイトルを獲得した記念プレートつき。
こちらはダッシュボードに設置された「SP30」バッジ。
フェラーリはワンオフモデルの製作にも積極的
なお、フェラーリはこういったワンオフモデルの製作に力を入れていて、直近だと香港の富豪が注文したサーキット走行専用モデル「P80/C」（走行する際にはフェラーリの専用スタッフを動員しなくてはならない）が有名ですね。
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そしてワンオフの「SP3JC」を二台色違いでオーダーしたという人も。
一台は右ハンドル、もう一台は左ハンドルという仕様を持ち、それぞれ別の生活拠点に置いておくためなのだそう。
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なお、こういった「自分仕様」のフェラーリを作ることができるのは上位250人に入るVIPのみとのことで、よってワンオフフェラーリをオーダーできるといいうことはお金を持っているということだけではなく、「（フェラーリ内において）それだけの地位にある」ということを意味することになります。
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参照：Crave Luxury