｜ フェラーリの本社近くにて、謎のSF90ストラダーレが目撃 ｜
すべての光線を吸収する特殊塗装でペイントして一体何を？
さて、ちょっと前から主にフェラーリのスパイビデオを届けてくれているユーチューバー、Varryx。
今回はこれまでに目撃されたことがない外装を持つフェラーリSF90ストラダーレのプロトタイプが目撃されています。
ただし不思議な外装といえども形状がどこか変わるわけではなく、しかし奇妙なのはその「塗装」。
なにかのプロトタイプ？それともワンオフモデル？
つまりは「真っ黒」な塗装が施されているということになりますが、その意味はまったく不明です。
一種のカモフラージュと考えることもでき、しかしSF90ストラダーレ自体は納車が開始されているため、今さら何かを「隠す」意味もなく、そして実際に何か新しい構造も見られない模様。
そう考えると、フェラーリはこの新しいペイントを試しているという可能性もありそうですね。
この「無反射」塗装とは？
そしてこの「真っ黒な」塗装ですが、これはおそらくBMWが「Vantablack（バンタブラック） VBx2コーティング」として発表したもの。
このバンタブラックはカーボンナノチューブを混入させ可視光線の99.965％を吸収する特殊なペイントで、「地球上のどの物質よりも黒い」塗装だといわれます。
バンタブラックは塗料メーカーのサリー・ナノシステム、レビエーション29との共同開発によって開発されており、光を吸収するほか、反射もないために車体の凹凸がほとんどわからなくなってしまうという特性を持っているわけですね。
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そしてバンタブラックとは別に「無双（MUSOU）ブラック」なる塗料も存在し、こちらは可視光線の99.4％を吸収すると伝えられます。
日本の光陽オリエントジャパンが開発したもので、ただしこれは自動車用として開発されたものではなく、主に撮影時に何かに塗布して反射や映り込みを防ぐために使用する塗料だと思われます（同社は光学機器を主に取り扱っており、その関係で遮光関連製品などを販売している）。
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ちなみに通常のマットブラックですらピントが合わずに写真を撮るのに苦労することがありますが、この「光を反射しない」ブラックだとさらにオートフォーカスが働かない可能性が高く、この塗料が普及したりプロトタイプのテストに使用されるようになると、スパイフォトグラファーはけっこう苦労することになるのかもしれませんね。
フェラーリは新ペイントをテスト中？
そしてこのプロトタイプについて、フェラーリが新しい塗料をテストしているという見方もあるようで、つまりはバンタブラックもしくは無双ブラックの耐久性をテストしているのかも。
フェラーリやランボルギーニ、そしてポルシェやブガッティは顧客の求めに応じて「その一台だけ」のために特別なペイントを調合することがありますが、しかし特殊な塗料だけに耐候性などのテストを欠かすことはできず、ブガッティの場合は最低でも半年は「屋外に放置して」様子を見るといわれます。
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このバンタブラックだと耐候性のほか、摩擦に対する性能など、通常の塗料では問題とならないようなところでもトラブルが起きる可能性もあり、そういったテストを行っているのかもしれません。
フェラーリが謎のプロトタイプをテストする動画はこちら
参照：Varryx