| 紅旗の設立した合弁企業、シルクFAWはすでにフェラーリ元CEOを獲得済み |
さすがに中国のメジャーメーカーだけあって資金は潤沢にあるようだ
さて、中国のメジャー自動車メーカー、FAW(第一汽車)が展開する最上位ブランド「紅旗」。
この紅旗は「S9」なるハイパーカーを発売すると発表していますが、このS9の開発や生産のために設立された合弁会社が「Silk-FAW(シルクFAW)」であり、これはイタリアのコーチビルダー「シルクEV」との合弁企業だと報道されています。
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シルクFAWは元フェラーリ重役をスカウト
そして今回報じられたところによると、このシルクFAWはフェラーリ、アルファロメオ、BMWにて重役を務めたロベルト・フェデリ氏を新たな最高技術責任者に迎えた模様。
すでにシルクFAWはスタイリング&デザイン担当副社長として、ランボルギーニ含むフォルクスワーゲングループでのデザイン統括責任者、ワルター・デ・シルバ氏を獲得しており、さらには1ヶ月ほど前には元フェラーリCEO、アメデオ・フェリーザ氏(セルジオ・マルキオンネ氏の前のフェラーリCEO)を会長特別顧問および上級諮問委員会のメンバーとしてスカウトしたばかり。
これら人材獲得戦略は相当にアグレッシブなもので、その行動を見るに、いかにシルクFAWが本気であるかがわかります。
なお、現在開発を進めているS9はV8エンジン+3モーターによって1,400馬力を発生させ、0−100km/h加速は1.9秒、最高速は400km/hという驚愕のスペックを誇るハイブリッドカー。
もちろんそのデザインはワルター・デ・シルヴァ氏によるもので、初期に発表された紅旗オンリーデザインのS9とは完全に「別モノ」となっています。
ロベルト・フェデリ氏はシルクFAWで電動化と自立運転を推進?
このロベルト・フェデリ氏はフェラーリで26年の勤務経験があり、そのうち2006年から2014年まではテクニカルディレクターを努めており、ラ・フェラーリ、456、355、550マラネロ、360モデナ、458スペチアーレ、カリフォルニアの開発に携わっています。
その後はBMWへと移籍してi8の開発を行ない、さらにその後には出身地であるイタリアへと戻ってアルファロメオとマセラティのチーフテクニカルオフィサーを務めることに。
そしてシルクFAWがロベルト・フェデリ氏を獲得したのには「電動化の経験と、自律運転の開発を期待」してという意図があると報じられていますが、シルクFAWは目標に向かい、適切な人材を獲得しているということなのかもしれません。
なぜ紅旗はイタリアに合弁企業?
シルクFAWの合弁相手「シルクEV」が位置するのはイタリアのエミリア・ロマーニャ地方。
この場所はフェラーリ、ランボルギーニ、パガーニ、マセラティも拠点を構えるスーパーカーの聖地でもあり、様々な会社にてスーパーカーを作ってきた人材が豊富で、かつ製造のために不可欠なサプライヤーが多数存在すると言われます。
参考までに、イタリアは中国の掲げる新シルクロード計画、一帯一路に最初に署名した国だとされ、そのため中国から多額の投資を受けているとも。
よって、このシルクFAW設立、そしてS9の発売についてもその一環(中国とイタリアとの共同プロジェクト)だと推測しており、これは中国政府そのものも絡んだプロジェクトだと言えそうですね(第一汽車は中国の国営企業でもある)。
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参照: Auto News, Automotive News