| 近代フェラーリの「ワンオフブーム」の先駆けになったと考えてもいいクルマ |
特定の個体は何度か売りに出ているが、それ以外はまったく中古市場にも出てこない
さて、我らがスーパーカー系ユーチューバーの元祖、Shmee150氏がマイアミより「フェラーリ・セルジオ」を紹介。
フェラーリ・セルジオとはあまり耳慣れないクルマですが、じつのところ「フェラーリ最後の自然吸気V8エンジン搭載車で、かつピニンファリーナによってデザインされた最後にフェラーリ」。
さらには生産台数わずか6台というとんでもなく希少なモデルです。
その歴史的価値は限りなく高い
このフェラーリ・セルジオは2013年に458スペチアーレA(アペルタ)をベースに作られており、発表されたのは2013年のジュネーブ・モーターショー。
”セルジオ”はフェラーリとピニンファリーナ社との協業60周年を記念して企画されたもので、その名称「セルジオ」はピニンファリーナの創立者であるセルジオ・ピニンファリーナ氏に由来しています。
デザインモチーフは1960年台のクラシックフェラーリとされ、発表時はフロントスクリーンの無い、コレクションのみを目的としたまさに「ワンオフ」としての登場です。
ただ、発表されるやいなや「自分にも売って欲しい」というコレクターが大量に名乗りをあげることになり、フェラーリは(ピニンファリーナの勧めもあり)ピニンファリーナに寄贈する1台の他に6台の「市販モデル」を製造し、ただしこれらには(法規の関係か)一号車にはなかったフロントスクリーンが取り付けられることに。
ただしトップはもともとのセルジオと同じく、幌がない簡素な仕様となっています。
リアバンパーは「ディフューザー一体型」なので、何が何でもヒットさせてはならない仕様。
リアフードにはホールが穿たれており、これが後のSF90ストラダーレ、ローマ、296GTB等にも形や場所を変えて引き継がれたんじゃないかと思ったり(SF90ストラダーレのリアフードを見たとき、ぼくはまっさきにこのセルジオを連想した)。
なお、このリヤフードの下にあるのは605馬力を発生する4.5リッターV8エンジン。
トランスミッションは7速デュアルクラッチ、駆動輪はもちろん後輪のみ。
インテリアも比較的「近代的」な配色を持っていて、ブラックをベースに、タコメーターのベゼルやセンターコンソール上のブリッジにあるシフトボタンのリングなどはボディカラー同色。
シートやマットにはブルーのアクセントが入り、ドアインナーハンドルもブルーです。
その後Shmee150氏はなんと時価5億7000万円と言われるフェラーリ・セルジオでドライブ。
ちなみに6台のセルジオのうち3台はアメリカにあり、そのカラーはこのブルーのほかシルバーにダークレッド。
そしてアブダビにはレッド、オランダにはイエロー(この個体はよく売りに出されている)、日本にはレッドのセルジオが存在するようですね。
このフェラーリ・セルジオはこんなところに格納されている
そしてこのセルジオが収められているのはアメリカ西海岸にある「バーン・マイアミ」。
ここはクルマを見ながらお酒を楽しめるという素晴らしいバーだそうで、ガストン・ロサトとレンゾ・ロサトによって経営されており、80年代のレンジローバーやアメリカンマッスル、数々のポルシェ、フェラーリ575スーパーアメリカ、デ・トマソ・パンテーラ、そしてたくさんのクラシックカーやウエストコーストらしいバギーなど、多数のクルマで溢れているようですね。
なお、バーン・マイアミのインスタグラムには様々な所蔵車の画像が投稿されています。
世界に6台、フェラーリ・セルジオを紹介する動画はこちら
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参照:Shmee150