| フェラーリ296GTBに「似ている」ように思えるが、おそらくは296GTBが「SP48 Unicaに似ている」のかも |
ルーフからCピラー、リアにつながる造形はクラシカルでもあり、新しくもある
さて、フェラーリは上位250人のVIP顧客を対象に「ワンオフモデル」の制作を行っていますが、今回はその最新となる一台「SP48ウニカ」を公開しています。
ベースとなるのはF8トリブートですが、フロントやリアフェンダー上のエアインテーク、ルーフを見ると296GTBっぽいデザインが用いられていることがわかりますね。
なお、こういったワンオフプロジェクトについて、納車は「5年待ち(製作期間が長い)」だと報じられていますが、そのためプロジェクト開始時に「現役」だったクルマを使用したとしても、完成時には「型落ち」となっている場合が多く、しかしこういったワンオフモデルをオーダーする顧客はそういったことを気にせず、もっと長い目で見るのかもしれません。
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フェラーリSP48ウニカはこんなクルマ
そこでこのフェラーリSP48ウニカを見てみたいと思いますが、ノーズは296GTBに近く、ヘッドライトは296GTB的、バンパー上のダクトはローマのような「粗密な」六角形のホールが設けられたデザインを持ち、フロントフードはポルトフィーノMのようなエアアウトレットも。
ルーフは296GTBのような「ヘルメットルーフ(バイザールーフ)」となっていますが、面白いのはフロントグラスとルーフとがつながっているように見えることで、さらにはリアウインドウを持たないこと(後方確認はルーフ上のカメラにて行うのだと思われる)。※エンジンを隠してしまうのはかなり大胆な手法だといえる
リアフード両脇にも粗密なホールが見られますが、これは”プロテクションフィルム施工業者泣かせ”な部分なのかも。
リアフェンダーやテールエンドの造形は296GTBを連想させますが、エアインテークの位置をみると「ベースがF8トリブート」ということがわかります。
テールエンドは「フローティング」構造を持ち、テールパイプは後方に大きく突き出ていますね。
テールランプはフェラーリとしてはかなり珍しい「バー」型で、リアバンパーとリアディフューザーの造形も296GTBに近いように思います。
なお、フェラーリSP48 Unicaのインテリアについて公式画像は公開されておらず、しかしアップされた動画を見ると(ちょっとだけ見える範囲では)ベースモデルのF8トリブートと大きな差異はなく、しかしフェラーリによると、フロントグリルに用いられるのと同じ六角形をモチーフにしたパンチングが施されたアルカンターラ、そしてその下からボディカラー同色のレッドが覗くという仕掛けが用いられている、とのこと。
フェラーリのワンオフモデルは「デザイン的チャレンジ」の集大成?
なお、こういったワンオフモデルを見ていて思うのは、ワンオフモデルだからこそ持ちうる大胆なデザインを持ち、日常的な使用を考えないデザインを持っていること。
つまり、コレクションとして保管され、オーナーが手間をかけてメンテナンスすることを前提に作られており、「不特定多数の人が使用すること」を想定していないわけですね。
そのためにフェラーリのデザイナーはここで積極的なチャレンジを行うことができ、「一般向けの市販車では実現できなかったこと」を再現できるのかもしれません。
そしてもうひとつ思うのは、こういったワンオフモデルが「他の市販モデルの要素を取り入れている」のではなく、ワンオフモデルに”チャレンジ”として取り入れられた要素が後の市販車に反映されているのではないかということ。
たとえば、これまでにも「458MM」「J50」といったスペシャルモデルにて採用されたモチーフが後の市販モデルに採用された例も少なくはなく、今回のSP48 Unicaについても、「296GTBに似ている」のではなく、先に(もしくは同時に)このSP48 Unicaが企画され、その要素が296GTBに落とし込まれたんじゃないかということですね(つまり296GTBがこのSP48 Unicaに似ている)。
実際のところどうなのかはわかりませんが、デザイナーはワンオフモデルにて「非日常的な」デザインを取り入れ、それを「日常的な」デザインへと修正した市販車を作り上げているのかもしれません(これまでのワンオフモデルを見ているとそんな気がする)。
フェラーリSP48 Unicaを紹介する動画はこちら
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参照:Ferrari