| 「フランス」をテーマにフェラーリをカスタムする例は意外に多い |
「マット」仕上げはフェラーリにおいても徐々にポピュラーに
さて、フェラーリが展開するパーソナリゼーションプログラム「テーラーメイド」。
これは通常のオプションの範囲を超えたカスタムを行う場合に活用するプログラムですが、そのアトリエがあるのは現在イタリアの本社(マラネッロ)、ニューヨーク、そして上海のみとなっており、日本の顧客がこれを利用する場合は「いずれかのアトリエに行くか」「本社とのリモートミーティングにて」進めることとなるもよう。
ただしそれでも非常に高い人気を誇っており、テーラーメイドにて「自分が思い描いた通りの」フェラーリを作ることができるのは限られた顧客のみだとされています。
このフェラーリ812コンペティツォーネのモチーフは「1953年のフランスグランプリ」
そして今回フェラーリが自社の公式Facebookにて公開した最新「テーラーメイド」車両がこの812コンペティツォーネ。
ボディカラーは「ビアンコキング」だと紹介されていますが、雰囲気的にはシルバー(マット仕上げ)、そしてそこへフレンチカラーを再現したストライプが入ります。
このカラーは「1953年のフランスグランプリにて歴史的勝利を収めた車両(おそらくはフェラーリ553 F2)」へのオマージュだそうですが、1953年のF1グランプリはF2(フォーミュラ2)規定に則って開催されたこと、そしてフランスGPではマイク・ホーソンが(フェラーリにて)初優勝を飾り、同時にF1で優勝をあげた英国人初のドライバーとなった年としても知られます。
ちなみにマイク・ホーソーンはプライベーターとしてF1に参戦し、そこでの走りを見込まれてフェラーリへと移籍したという凄腕ドライバーであり、F1最年少優勝記録を更新したほか、1958年にはフェラーリで(スターリング・モスを抑え)チャンピオンシップを獲得したことも。
ただ、ぼくにとっては「モータースポーツ最悪の死者を出した」1955年のル・マン24時間レースでの事故のきっかけとなった人物という印象が強く(後に本人に帰責性はないという裁定が下っている)、事故後もレースを続行したこと(これは出走していたチーム、ジャガーの判断によるものである)、そして優勝後に笑いながらシャンパンを飲んだという逸話が印象に残ります(その際の写真は翌日の新聞に掲載されたそうだ)。※ただ、実際のマイク・ホーソーンはボウタイを身ににつけてレースを走った紳士であり、クリーン、かつライバルに敬意を払うドライバーであったとされ、ル・マンでの事故はまさに不幸な出来事であったとしかいいようがない
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このフェラーリ812コンペティツォーネに話を戻すと、ホイールはメタリックグレー、そしてブレーキキャリパーはシルバー、ホイールボルトはチタン、センターキャップはイエロー、フロントフェンダーのスクーデリア・フェラーリ・エンブレムはハンドペイント仕上げ。
タイヤはピレリ「カラーエディション(グレー)という渋いチョイスです。
インテリアもまた特別仕様となっていて、シートはエレクトリックブルー、そしてステアリングホイールかカーボン製、そしてグリップ上下にはフレンチトリコローレがペイントにて再現されます。
なお、ちょっと面白いのはグリップ部のステッチも「フレンチカラー」が採用されていることで、これは他ではあまり見られない仕様かもしれません。
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