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フェラーリ330 P3のカスタマー版「412P」が競売に。生産わずか2台、納車後はル・マンで3位、その他多くのレースで入賞や優勝を獲得し、予想落札価格は「数十億」

2023/07/25

フェラーリ330 P3のカスタマー版「412 P4」が競売に。生産わずか2台、納車後はル・マンで3位、その他多くのレースで入賞や優勝を獲得し、予想落札価格は「数十億」

| 9年のレストアを経てこのフェラーリ 412Pは当時の状態へと戻される |

一般に「モータースポーツでの輝かしい経歴」がある車両は非常に高額で落札されることが多い

さて、1960年代のモータースポーツ界に忘れがたい足跡を残した象徴的なレーシングカー、フェラーリ 412Pがオークションへと登場予定。

このフェラーリ 412Pは、映画「フォード VS フェラーリ」に登場した330 P3のカスタマーレーシングバージョンで、2台が新規に製造され、他数台が330 P3からコンバートされたと言われます。

そして今回競売に登場する412Pは「2台のうちの一台」で、シャシーナンバー、エンジンナンバーともに「0854」、つまりマッチングナンバーを持つ非常に貴重な個体です。

Ferrari-412P (8)

このフェラーリ 412P ベルリネッタはこんな経歴を持っている

今回オークションに登場するフェラーリ 412Pは1967年に製造されており、ボディパネルはファントゥッツィ製(デザインはもちろんピニンファリーナ)。

耐久レース専用に設計された「プロトタイプ」で、流麗でエアロダイナミクスに優れたボディ、パワフルなV12エンジンを搭載するといういかにもフェラーリらしいマシンです。

Ferrari-412P (6)

フェラーリ330 P3とは基本的に同一ではあるものの、ボディ、サスペンション、ホイールは412P専用を採用(この412PはP3/4と呼ばれることもある)。

Ferrari-412P (9)

搭載されるエンジンは3967.44ccの排気量を持つV12、出力は420馬力/8,000rpm、燃料噴射装置ではなくウェーバー製キャブレターを備えます。

Ferrari-412P (13)

全長は4,170ミリ、全幅1,780ミリ、全高985ミリと非常にコンパクト、そして重量はわずか835kg。

Ferrari-412P (15)

製造された後にはレーシングチームを運営するロニー・ホアによって購入され、その際にイタリアンレーシングレッドにケンブリッジブルーへとペイントされています。

Ferrari-412P (10)

上述の通りフェラーリ 412Pは2台のみがが製造されていますが、1967年にはその2台ともがFIA世界選手権へと参戦し、このマシンはリチャード・アットウッドとルシアン・ビアンキによってドライブされ、ベルギーのスパ1000キロで総合3位に入るなど、フェラーリが1967年のメイクス世界選手権のタイトルを獲得するのに大きく貢献することに。

Ferrari-412P (2)

その後このフェラーリ 412P ベルリネッタは1967年のル・マン24時間レースに参戦し(ドライバーはアトウッド/ビアンキで3位に入賞)、”グリーンで駆け抜けた男”として知られるデビッド・パイパーに所有権が映った後もイギリスのブランズハッチ6時間レースにも参戦しています(7位)。

Ferrari-412P (12)

さらにデビッド・パイパーは同年、このマシンでパリ1000キロ、キャラミ9時間、ケープタウン3時間に参戦し、1968年のニュルンベルク200キロ、ホッケンハイムのソリチュードレンネン、スウェーデンGPで優勝するなど華々しい活躍を見せたという記録が残り、モータースポーツの歴史にその足跡を記している一台である、ということになりますね。

Ferrari-412P (11)

1969年には自動車会社の「コード」を設立したE.L.コードの孫であるクリス・コードがこの車を入手したとされ、そののちにはアンソニー・バンフォード卿、ポール・ヴェスティ卿、ジョン・マコー、ブルース・マコーといった著名コレクターの手を経て現在のオーナーの所有となったそうですが、ここでは9年間に渡るレストアの末、当初の(ロニー・ホアのチームで戦っていた頃の)ボディワークとレース用カラーリングへと戻されています。

Ferrari-412P (3)

なお、驚くべきは(リアにナンバープレートが装着されていることでもわかるとおり)合法に登録できるということで、実際に現オーナーは「ときどき」このクルマを運転していたのだそう

このクルマを所有することは、ある意味ではフェラーリのモータースポーツの歴史を共有することでもありますが、そのぶん「非常に高額」で落札されるであろうことは間違いなく、一部では40億円程度になるのでは、という予想もあるようですね。

Ferrari-412P (7)

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参照:Bohams

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