Image:Ferrari
| まさか「最古のフェラーリ」が博物館に置かれるのではなく路上を走っていようとは |
この老夫婦はコレクターが諦めた修復作業を完了させ、それ以降5万キロを走っている
さて、フェラーリが「偶然」最古のフェラーリ製ロードカーを発見したというコンテンツを公開。
この「最古の公道走行が可能なフェラーリ」とはニュージーランドにてアマンダさんとフィリップさんという老夫婦が所有する166インテルで、オフィシャル・フェラーリ・マガジンの取材チームが現地を訪れていた際、文字通り「偶然」発見することとなったのだそう。※以前、TV番組にて放置されていたポルシェ911を取り上げたところ、それが最古の911であったという話を思い出した
この166インテルは1949年のジュネーブ・モーターショーにて発表され、初のフェラーリ製ロードカーであり、また(レーシングカー含め)初の2リッター超のV12エンジンを搭載するフェラーリです。
フェラーリ166インテルはこんなクルマ
フェラーリ166インテルは当時の通例に倣い鋼管スペースフレーム製のシャシーを持ち、搭載されるのは上述の通りV12エンジンで、1気筒あたり166ccにの排気量をもち、車名の由来はもちろんここから。
当時唯一の「ディッシュホイール」を組み合わせることが可能なフェラーリでもあったそうですが、実際に販売された車両のほとんどはワイヤーホイールを装着していたと言われます。
Image:Ferrari
今回フェラーリによって紹介されている166インテルは車体番号「0007-S」で、当時のフェラーリは偶数をレーシングカー、奇数をロードカーに割り当てていたため、この個体はロードカーとしては「001」「003」「005」に次ぐ4番目(007)に生産されたクルマということとなり、フェラーリによれば「001と003は失われ、005はエンツォ・フェラーリ博物館に展示されている」ため、実質的にこのクルマは「路上を走っている最古のフェラーリ」ということに。
この個体は1949年まで最初のオーナーが所有し、その後2番目のオーナーへ、そして3番目のオーナーは1951年にこの個体を入手してミッレミリアを走らせ、さらに1953年には米陸軍大尉、1954年にはアメリカ大陸に渡って現地の弁護士に所有され、1957年にはトーマス・ウィギンズ氏なるコレクターの手にわたります。
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ただし同氏が入手した際にはボディの損傷がひどく、15年をかけて修復用のボディを探し出したそうですが、それでも作業規模の大きさから修復を断念し、そこでトーマス・ウィギンズ氏が売りに出したこの166インテルを購入したのが上述のアマンダさんとフィリップさん。
両名はトーマス・ウィギンズ氏と6ヶ月の交渉を重ねて「エンジンが搭載された166インテルのローリングシャシーと、修復のために集められたパーツの入った5つの木箱」を受け取ることとなり、その作業が完了したのが1997年だというので、この166インテルは(トーマス・ウィギンズ氏所有時代から計算すると)とんでもなく長い時間をかけて修復されたということになりますね。※コレクターですら諦めた修復作業を完了させたというところがスゴい
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なお、この夫妻はレストア後に約5万キロを走っており、様々なイベントにも参加しているそうですが、情熱を注いで歴史上重要なフェラーリを修復し、そしてそれを日常的にドライブし、かつ様々な行事にも顔を出すという「フェラーリオーナーの鏡」のような人たちだと思います。
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During the #FerrariTour in #NewZealand Amanda and Philip joined the Ferrari convoy. That’s how we met this 1948 #Ferrari166Inter, the oldest road-going Ferrari in the world.
— Ferrari (@Ferrari) July 25, 2024
Get ready to be ignited by Amanda's passion for her unique Ferrari and its spectacular story.#Ferrari pic.twitter.com/eyUilrzb3r
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参照:Ferrari