| ランチア本家が動かずとも、第三者によって「ストラトス」「デルタ」「037ラリー」が蘇る |
ただしランチアそのものが今後なんらかの動きを見せる可能性も
さて、キメラ・オートモーティブは「ランチア037ラリー」の現代版、EVO37をリリースすると宣言していましたが、今回はそのボディデザイン、そして細部についての情報を公開。
なお、その開発はかなり進んでいるようで、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてプロトタイプを公開し、9月には納車を開始する、ともコメントしています。
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ランチア・ラリー037はこんなクルマ
ランチア・ラリー037ストラダーレは、1982年にラリー参戦のホモロゲーション取得のため207台のみが製造されており、その特異なルックスが印象的なクルマです(車体の前半分と後ろ半分との違和感がスゴい)。
ベースはランチア・モンテカルロ、設計はレースカーの設計やランボルギーニ初期モデルの設計、最近ではウラカン・スーパートロフェオの設計で知られるジャンパオロ・ダラーラ。
ボディは軽量化のためケブラーにて補強されたグラスファイバー製(デザインはピニンファリーナ)です。
キャビン部分はモンテカルロからの流用ではあるものの、車体前後は鋼管パイプを用いたスペースフレーム構造となっていて、エンジンはミドシップマウント、後輪駆動というレイアウトを持っています。
この後「4WDでないとラリーでは勝てない」時代へと移行したためにその存在感が薄れることになるものの、ランチア・ラリー037ストラダーレは「MRとしては最後のタイトル獲得車」としてその名を轟かせています。
搭載されるエンジンは2リッター直4スーパーチャージャー205馬力。
ボディサイズは全長3915ミリ、全幅1850ミリ、全高1245ミリで、ストラトスに比べて長くなったとはいえ(ストラトスはホイールベースが短く、高速安定性に欠けていたと言われる)まだまだ短く、幅広な車だと言えます。
なお、ランチア・ラリー037ストラダーレの車体重量はわずか1170キロと非常に軽量であることも特筆すべき点ですね。
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キメラ 037EVOのデザインはランチア・ラリー037に忠実
そしてキメラ・アウトモビリのリリースする037EVOはランチア・ラリー037に対して非常に忠実に作られていますが、車両自体は「ゼロベースで設計されたもの」。
車体はスペースフレームとパネルとを組み合わせたオリジナル品。
ショックアブソーバーはオーリンズ製(リアはツイン)、ブレーキシステムはブレンボのカーボンセラミック製(画像ではスチール製のように見える)。
エンジンもこのモデルのためにランチアのエンジニアであるクラウディオ・ロンバルディ指導のもと設計されたもので、排気量は2.1リットル、ターボチャージャーを装備して出力は505馬力へ。
トランスミッションはこういった少量生産モデル(37台のみの限定生産)ではお約束の「マニュアル」、そして駆動輪は後輪のみ。
運転支援デバイスについてはその内容はもちろん有無についても明かされておらず、しかし「最小限に抑えられる」もしくは「全く装備しない」ということも考えられます。
キメラ 037EVOのボディパネルはカーボン製
オリジナルのランチア037ラリーのボディパネルはグラスファイバー製でしたが、このキメラ037EVOのボディパネルは「フルカーボン」。
そのラインやディメンション(キメラ037EVOのほうが若干長い)、ディティールに関しても可能な限りランチア037ラリーを踏襲している、とのこと。
ランチア037ラリーの極端な幅広さ(縦横比)も健在です。
ホイールやリアウインドウ周りのディティールは現代風。
テールランプ、そしてヘッドライトもLEDへと改められています。
フロントグリルのバッジは「マルティニ風」。
「ランチア」は偉大なブランドであり、復刻モデルも多数
なお、ランチアはこの037ラリーのほか、デルタ、そしてストラトスといったアイコニックなモデルを製造していたことも。
そしてストラトスについてはマニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノがすでに復刻モデルを発売しており・・・。
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そして今回のキメラ・オートモーティブによる037ラリーのオマージュモデル製作となるわけですが、ランチアの親元であるステランティスはランチア含む傘下のブランドそれぞれについて「再建」を行なう旨を公表しているため、もしかすると本家ランチアから「ストラトス」「デルタ」「037ラリー」の現代版が発表されることになるのかもしれませんね。
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