| さすがは少量生産、そして「車好きのためだけに」生産を行うコーチビルダーだけのことはある |
さて、デ・トマソ・パンテーラを現代に蘇らせるという計画によって誕生した伊アレス・デザインの「プロジェクト・パンサー」。
デ・トマソそのものは香港の企業、ITVが商標の所有権を購入してしまったので、アレス・デザインではこの名を使用できないものの、そのデザインは誰がどう見ても「デ・トマソ・パンテーラ」という出で立ちです。
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アレス・デザイン「プロジェクト・パンサー」は(デュアルクラッチなのに)Hパターンのシフトゲートを持っていた
そして今回、アレス・デザインはその「パンサー」の新しい画像を一枚公開しており、これを見ると、なんと「マニュアル・トランスミッション風の」ゲートを持つことがわかります。
パンサーそのものはランボルギーニ・ウラカンの車体とパワートレインを流用しているので、V10エンジンはもちろんトランスミッションも7速デュアルクラッチを採用しているということになりますが、それを考えるとこの構造はいささか驚きだと言えそうです。
ただ、画像をよく見れば、H型ゲートを持つといえど、左上はDレンジ、その下がNレンジ、真ん中だと上がシフトダウン、下に引くとシフトアップ。
右側では上がPレンジ、その下がリバース。
よって、このH型ゲートを使用してシフトレバーを上下左右に動かしシフトチェンジを行うわけではありませんが、シフトレバーにはエンジンスタートボタンが内蔵され、ここを押してエンジンをスタートした後、シフトレバーを操作して「PからDへ(もしくはセンターのマニュアルモードへ)」とゲート内を移動させることになります。
また、駐車する際には「DもしくはマニュアルモードからPへ」とレバーを動かすことになり、これだけでも気分が盛り上がろうというものですね。
ちなみにこのシステムはLeva Cambio Manuale Elettroattuata(電気作動式ギアスティックレバー)だと命名され、その後方にはドライブモードを変更するスイッチ(STRADA、CORSA、PISTA)も。
このドライブモードについても、単にそのモードの名称を変えたのみで、実際にはウラカンのドライブモードと同一だとは思われますが、H型のゲート、その上にある各種スイッチとも、非常に高い質感を持つパーツにて構成されており、このあたりは「さすが少量生産のコーチビルダー」だと思わせるところですね。
その他にはこんな「疑似マニュアル・トランスミッション」を持つクルマも
なお、この他にも似たような考え方を持つクルマ(コンセプトカー含む)がいくつか存在し、たとえばトヨタGR HV Sportもそのひとつ。
これは86をスポーツハイブリッド化した2017年のコンセプトカーですが、トランスミッションはATながらも、マニュアルモードを選択すれば「Hパターンにシフトレバーを動かすことで」シフトチェンジが可能です。
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そして未発売ながらも、実際に「DSG搭載ながらも、Hパターンシフトにてギアチェンジが可能な」構造を持っていたフォルクスワーゲン400Rも(ディーゼル不正事件のエ影響にて、ついぞこのクルマが発売されることはなかった)。
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なお、新型ポルシェ911(992)については、H型シフトゲートを持つわけではないものの、ほかの992型911のシフトレバーが「スイッチ」なのに対し、しっかりとしたシフトレバーが与えられています。
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各社とも同様の考え方を持つ機構を開発しようとしているようだ
なお、韓国キアは3ペダル+シフトレバーを持ちながらも「クラッチやシフトレバーはスイッチにしか過ぎない」システムを開発中。
これは、従来のMTとの組み合わせでは難しいとされてきたアイドリングストップやハイブリッドとの連携を容易にするもので、ガソリン/ディーゼルにおけるMT比率が86%にものぼるという欧州市場において「燃費を稼ぐための方法」であり、どうやらスポーツカー向けではない模様。
そしてシボレーもコルベット向けと思われる「クラッチバイワイヤー」の特許を過去に出願しており、これによって「ペダルを踏めば自動的にクラッチが切れる」ことに。
これがどう使用されることになるのかはわかりませんが、なにかこう「驚くような」用途を実現して欲しいと思います。
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